「ラストゲーム 最後の早慶戦」 とてもいい映画でした!


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前回のブログに書いたように、この前の木曜日に「ラストゲーム 最後の早慶戦」の試写会を見に、有楽町のよみうりホールに行きました。
仕事の後に行ったので、6時40分の開演ギリギリに到着。席は予想外にすでに満席になっていました。周りを見ると年配の方が結構多かったので、やはり両校のOBが多いのかなとも感じました。
このお話自体は、知る人には割と有名な話だと思います。もちろん私も知っています。だからなんとなく事実をなぞっていくのを見るのかなと思いましたが、これほど心を揺さぶるものになっているとは思いませんでした。
最近の太平洋戦争ものだと、派手にドンパチやって血も出て戦争の悲惨さと愛を訴えたり、実像以上に崇高な精神の持ち主たちがお国のために戦ったり、やたら自由な発想をする人が戦争の矛盾点を指摘するみたいなのが多くて、作り手の主義主張が目に付くものが多かったように思います。
ところがこの映画は、淡々とその当時の人たちの気持ちを綴っていく。ここに惹かれたのです。
1)兄弟間のつながり
抑制しながらも、兄は弟の幸せを願って自分の務めを果たそうとする。弟は兄をやっかみつつも、感謝とあこがれをもって敬う。昔の日本にはこの精神はそこら中にあったと思います。楽天の野村監督もお兄さんが学費を稼ぐからと言って高校に進学させてもらって、野球を続けたそうですね。
2)親子のつながり
子を誇りに思う親。子が愛おしくて仕方がない親。子が不憫で仕方がない親。子の思うとおりに生きさせてやりたい親。しかし私情を周りに吐露することなく、崩れることなく、国民の責務を全うしようとする親。しかし以前の部分なら現代の大多数の親も持っているものでしょう。但し、後半の部分の気持ちを持っている人がどれくらいいるのでしょうか?今の世の中は自分の子供を「私」ではなく「公」として捉えている親がなんと多いことかと。
3)信念の強さ
あえて義塾側から述べましょう。ちゃんと「海軍主計大尉小泉信吉」にも触れてくれた制作者側に感謝ですが、小泉信三塾長の塾生(学生)たちへの愛情の深さと国民の義務と親子の情への理解の深さ。さすがに石坂浩二さんは塾員ですね。映画ではほとんど触れられていない場面でも、そういった背景をしっかり表現しながら演技されていました。彼はきっと「小泉信三伝」も「海軍主計大尉小泉信吉」も読まれたんでしょうね。「練習は不可能を可能とす」と唱えた小泉塾長が野球部員の帰郷を許可するということは、そこにどれだけの塾生と親との情に対しての思いを込めたのかが想像されます。また、早稲田の田中総長も自分の信念から反対を貫くものの、やると決まれば職を賭して部を学生を守ろうとする気概。飛田穂洲の早慶戦実現に向けた鬼気迫る思い。この映画に出てくる大人たちは自らの信念を持ち、それに殉じる覚悟があるように見えました。
4)細かい部分の作り込み
まずは野球部員の人たちがちゃんと野球が上手い。オーディションの基準がそもそも野球経験者だったらしく、甲子園出場者もいたほど。ノックのシーンを見て、ああこりゃあ本当に上手いやと思いました。しかも当時のフィルムを見てフォームも当時に合わせ、かけ声(オーライとかナイスピーとか)も確認しながらやったとのこと。また慶應側では別当薫をちゃんと登場させていて、当時の六大学のヒーローであったこともそれとなく扱っている。また飛田穂洲は茨城出身ですが、ちゃんと茨城弁を喋っている。監督のこの映画への愛を感じます。
5)青春の熱さと儚さ
敢えて言えばたかが球遊びにあそこまで夢中に、ある意味命を賭けて取り組む姿勢。燃えさかる闘志。そして「最後の早慶戦」をやり遂げた後は戦場に向かう。そこで勇ましく突撃するシーンにしないで、実写の零戦が特攻するシーンを流し、最後に片翼をやられた零戦がクルクルきりもみ状態になりながら墜落していくシーンで終える。しかもそのシーンはスローで流す。そんな画面からは青春の儚さというか、蛍が散っていくかのような儚さを感じました。一番涙が出たシーンが実はここです。いろいろな思いが込められた映像だと感じたので。
6)試合後のエールの交換
慶應義塾大学の第一応援歌「若き血」と早稲田大学校歌をそれぞれ相手校が歌う。ここに意義があったのだと思います。相手を称え合い、今後の健闘、すなわち学徒出陣での武運をお互いに祈る意味があったのでしょう。これも心に残りますね。
もっとも史実では「皆の感情が堰を切って、あふれたのが試合終了後。スタンドのどこからともなく聞こえてきた軍歌『海ゆかば』の歌が、やがて、皆の大合唱になったんです。両校の応援歌や校歌も、皆が肩を組んで涙を流しながら何度も歌いました。早慶戦ができた喜びと、出征のやりきれなさがあの一体感を生んだのでしょう。」とのこと。その情景を想像すると、心が揺さぶられますね。
いろいろと印象的なシーンのある映画なので、多少なりとも興味のある方は、是非ご覧ください!
(当時の写真)
Soukei
[E:crying]


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