対立教戦のコメントに対する雑感~パニックに対しての心構え~

文武両道さんに対するコメントを書こうとしていたら、なんだか収拾がつかなくなってきたので、記事として独立して書いてみます。
塾野球部の対立教戦2回戦は、序盤効果的に点を重ねたものの、後半追い上げられてバタバタしながら何とか勝ったという試合だったようです。
コメントにも書いたのですが、追い上げられたときにそれぞれのメンバーがどのように行動していたかに、とても興味があります。
1失点で責任を果たしマウンドを降りた相澤主将は?その後を受け継いだ中林くんは?ベンチで見守っている相場監督は?その他のグランドにいる選手たちは?
web上に面白い書き込みがあったので抜粋してみます。

歌舞伎町ビル火災から考える命を守るための災害心理学 ~from 新潟青陵大学:碓井真史-こころの散歩道
9月1日防災の日、大きな火災事故が起きてしまいました。新宿歌舞伎町の雑居ビル火災。44名もの犠牲者が出ました。放火の可能性もあるようです。
さて、犠牲者のご冥福を祈るとともに、貴重な犠牲を無駄にしないためにも、このような被害を防ぐ方法を考えなくてはなりません。
○パニック
災害に直面したとき、一瞬にして死亡してしまうとすれば、当事者にとって心理学の知識など役に立ちません。しかし、多くの災害には、わずかでも時間があります。たとえば地震発生時には、最初の数分間に適切な行動をとることが命を守るためにとても重要です。
(中略)
ネズミを使った実験です。一匹のネズミをカゴに入れて下から火をつけます。ネズミは必死になって逃げ場を探し、カゴのすみにある小さな穴から逃げることができました。ところが、ここにたくさんのネズミを入れておくと、われ先に逃げようとするネズミたちが互いにぶつかり合い、じゃまをしあい、けっきょくすべてのネズミが死んでしまいました。
人間の場合も、冷静にさえなれば助かった命が、パニック状態の中で失われてしまうことがあります。特に今回のように狭い場所に多くの人がいればパニックは起きやすくなります。
○人は緊急時には愚かになる。
災害発生のような緊急時には、人はみな「愚か」になってしまいます。複雑なことや、わかりにくいことはできなくなってしまいます。だから、災害発生時には、できるだけ単純な行動で対処できるように、普段から準備をしなくてはなりません。
「火事だ、逃げよう」と思ったとき、人はいつも自分が使っている通路に向かいます。いつもの階段、いつものエレベーターです。そこが、止まっていたり、今回の火災のように煙の煙突になってしまっていて使えないとなると、とっさに別の道を考えることができなくなります。
避難口や非常階段の場所を普段から意識していれば良いのですが、なかなかそうはいきません。そこで、避難口を示す掲示をとても大きくしたり、はっきりしたわかりやすい誘導が必要です。誘導するひとも、とっさにそんなことはできませんから、普段からの訓練が必要です。
災害時には複雑なことはできませんから、訓練も単純な訓練になりますが、ばかにしてはいけません。単純なことを繰り返し、繰り返し訓練しておいて、初めて実践で役に立つのです。
飛行機では、緊急時には、通路の床に小さなランプがついて、脱出口をわかりやすく示すようになっています。搭乗員が日ごろから訓練を繰り返しているのも言うまでもありません。
今回の火災では、従業員が窓から脱出しています。客にとってはまったく意識に上らなかった「窓」という脱出口が、いつも店にいる従業員の心にはとっさに浮かんだのかもしれません。
○リーダーシップとルール
パニックを防ぎ、命を守るために、リーダーが必要です。適切な情報を訴え、誘導し、ルールを設定する人です。災害発生に人々が気づいたとき、一瞬、身も心も凍りついたようになるでしょう。このとき誰かが悲鳴をあげたり、やみくもに走りだしたりすると、パニックがおきてしまいます。
そうではなくて、そのときに、だれかが立ちあがり、はっきりと強くリーダーシップを発揮すれば、パニックを防ぎ、脱出することも可能です。
災害やパニックを扱った映画では、主人公がかっこよくリーダーを演じます。かっこうはともかく、リーダーの存在がみんなの命を助けることはたしかにあるでしょう。
映画の中で、人々が避難するとき、「女と子どもが先だ」とよく言っています。この価値観が正しいかどうかは別としても、パニックになりそうなときに、ルールの存在はとても大切です。早い者勝ちではなくて、ルールが存在していることが、結局はみんなの命を救うことにもなるのです。
○自分の命を得ようとするものは……
パニックは集団のパニックだけではなく、個人の心の中にも起きます。慌ててしまい、訳がわからなくなってしまいます。火災現場では、引けば開く扉を一生懸命押して開けようとしながら、命絶えてしまう人もいるのです。
冷静になるためのとてもよい方法の一つは、人のことを考えることです。スチュワーデスや従業員が冷静に避難誘導できるのは、普段の訓練もありますが、お客さんの命を助けなくてはならないと思えるからです。
私たちも、自分の命のことだけではなくて、たとえば、私のかわいい子どもを守らなくてはとか、足の悪いおばあちゃんをたすけなくてはと思えると、不思議に冷静になれるのです。力任せにどんなに押しても開かないドアの前で、引くということを思いつけるのです。

どうでしょう?いろいろな部分がそのまま置き換えられませんか?
追いつかれそうになったとき、集団としてパニックに陥らないようにリーダーシップを発揮した人はいましたか?
そのときのルールはありましたか?つまり例えば2点差リードで9回裏2死1,3塁の時、守備位置はどうするか?ゴロが飛んできたときはどうするか?といったチームとしての取り決めはありましたか?
個人としては、自分だけで訳わからなくなるのではなく、誰かのためにという気持ちが持てましたか?
こういった部分を塾野球部が得たとき、宿敵早稲田と対等に戦えると思うのです。ただこれには上記の文にもある通り、単純なる反復訓練が必要です。だからイニング時のキャッチボールを雑にやっていたりするとヒヤヒヤするのですが、それはさておき、今回の試合でそれが経験として得られたのは、何ものにも代え難いことです。是非この経験を活かして、なんとしても早稲田相手に勝ちをもぎ取るべく頑張ってほしいですね。

「対立教戦のコメントに対する雑感~パニックに対しての心構え~」に5件のコメントがあります

  1. 私としては、この分析も含め、掲示板や野球部の人たちに是非、読んでほしいのです。
    お世辞ではなく、本当に的確なヒントが、あなたの分析に散りばめられています。
    現在、野球部が抱えているいろいろな問題、
    これは複数のOBから球場で聞かされている問題。
    SFCの勉学と野球の両立がむつかしく、
    それが高校生にも知れ渡って、受験をやめ早稲田に行く
    有望な選手が多い。
    小川ら理工学部の選手が活躍できるのは、理工学部が日吉に移って
    授業と練習の両立ができるようになったから。
    SFCは厳しい!
    塾高が強くなるのは嬉しいが、付属中学からの部員のモチベーションをどうするか?レギュラーは初めからあきらめる。
    地方県立高校からの文武両道の一般受験者は、
    これまで塾野球部にとって活力になってきた。
    相場監督もそうだし、今の小野寺、湯本もそうだ。
    彼らが慶應を来年以降も受験してくれるか心配。
    掲示板では勝敗や采配のみが議論されていますが、
    塾野球部の抱える問題を冷静に分析する場が、どこかにないか、
    と探しています。
    ご迷惑かもわかりませんが、掲示板ではまた叩かれそうなので、
    あなたのブログをお借りしました。

  2. 独立自尊さん、
    上記についてのコメント不要です。
    2チャンネルのコメントを書いたようで反省しています。
    掲示板でためらうかもしれない危惧をもちながら
    書いたこと自体いけません。

  3. 文武両道さん
    いつもコメントありがとうございます。
    ここまで書いていただけると、昨日はコメント欄で終わらせることなく、記事でしっかり書いて良かったなあと心から思えますし、励みにもなります。
    自分の代はちょうどSFC2期生と同級生であり、その当時から彼らは勉学への取り組み方に苦心していたことを思い出しました。その中から数多くのIT業界を引っ張る逸材が出たことは、その当時の彼らの熱気を見ればさもありなんといったところでした。
    しかし彼らが苦労していたのは正に日吉・三田をベースとした活動に対する時間的距離的な制約でした。
    最近の塾野球部はSFCが多いですが、やはりその制約は大変でしょうね。ただこれは地理的条件なので、なかなか難しいです。やはり彼らの文武両道にかける情熱に期待するしかなさそうです。
    塾高の内部生問題ですが、8月の掲示板のオフ会の時に参加されていた普通部の教諭をされている方が、やはり危惧されていました。が、彼は「だからこそ逃げずに続けろ!」と言って高校に送り出し、一時全く入部が無かったみたいですが最近では結構入部しているみたいです。後はその中から誰が成功例を作るかですね。そうしたらモチベーションもまた変化するのでしょう。それにしてもこの教諭の方はとても熱く語っていらっしゃったので、思いの外内部生の問題は好転するかもしれませんね。こういうふうに言ってくれる先生は宝だと思います。
    それにしても、どこにもいつも問題は山積しているものです。
    それを解決するには大いなる楽観主義と、細心な分析、それを明るく楽しく包み込む雰囲気だと思います。
    早稲田は軍隊式の野球道とはよく言われていますが、端から見ているとそんなことは無く、彼らも楽しそうにやっていますよね。我々にだって出来るはずです。
    塾野球部も坂の上の雲も見上げながら、頂点目指して頑張ってほしいものですね!!
    と書いていたら新たなコメントが届きました。でも、既にほぼ書き上げた後でしたのでアップします。
    ちなみにここは前も書いた通り個人のブログであり、掲示板ではありません。なので、迷惑でもなんでもなく、思ったことを自由に書いて下さいませ。私もそれが楽しみです。勿論自分がイヤだなあと思ったらそれなりの対処はします。
    だって、自分の場所ですから[E:happy01]
    つまり万が一何かのコメントがイヤだと思っても、その時はちゃんと何かが自分には出来るのです。
    だから、これからもどんどん思ったこと、感じたことを教えて下さいね。

  4. 以前主宰する塾で同じことを言われました。
    「先生には思ったこと、得た情報をすべて言ってほしい。
    私たちが気分を悪くすることも、ほかに洩らすこともありません」
    因みに建設大手の一角を占めるその方の会社の
    レーティング情報についてのものでした。
    私が掲示板で問題を起こして退場してから、
    私宛に野球部の情報が逆に増えました。
    上記の情報もそうです。
    「問題を信頼のできる人に明かしてヒントがほしい」
    とすれば、あなたを信頼していれば、
    逆に「これからも一緒に考えましょう」
    と言うべきでしたね。

  5. 文武両道さん
    いつもコメントありがとうございます。
    本当にそれほど仰って頂くほど大した人間ではないのですが、折角ですからいろいろお話が出来て、何かしらの刺激を受けることができれば素晴らしいですよね!
    これからもよろしくお願いします。(と書いて次のコメントに移ります)

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