ピアノの続きと披露パーティー

以前ちょっと書いたピアノの発表会話。演奏した曲はちょっと今の自分には難度の高い曲であり、「自分の思い出の曲でもある洋楽の女性ボーカル(平井堅がカバーもしていました)の曲にしました。無謀にも」といったことは書きましたが、その曲名については書きませんでした。
というのは、今日会社の社員さんが結婚披露パーティーを行うことになっていたので、サプライズで演奏してみようと思っていて、万が一その記事を誰かが読んだら丸つぶれだなあと思っていたのです。しかし、そもそも弾けるようになるかが微妙だった為、発表会を過ぎるまでには誰にもその構想を話していませんでした。
そして発表会も終わり、まあ何とか弾けるかもと思い、幹事の人にようやくその計画を打ち明けてみました。それで会場にピアノがあるか確認して貰います。ところが残念ながら、そのお店にはピアノが置いていないとのこと。早速計画倒れの危機です。
困ったなあと考えていた時、ふとひらめきました[E:shine]。自分の持っている電子ピアノを持っていけば良いではないかと。
再度連絡を取って貰い、電子ピアノの持ち込みは可能かと確認したところ、快諾して貰えたとのこと。いよいよ本格的に動き出します。
ただ、どうせだったら完全サプライズにしたいと思っていました。なので事前にピアノを運び込んでおいて、指名されたら唐突にピアノを弾くという流れにしようと。
その計画に従い、昨日の日中に会場にピアノを運びに行きました。途中しっかりとゲリラ雷雨にぶつかります。ひーひー言いながら会場にピアノを持ち込んだのですが、そこの駐車場はなんと1時間1000円!近くのHACとかで2000円以上買い物をしないと丸々払うことになるので、仕方なくそこでお買い物を。
で、いよいよ当日です。間違っても新郎新婦にばれないようにしなくてはいけないので彼女たちが17時30分頃に来るという時間から逆算して、16時30分には会場に行ってセッティングして17時過ぎには素知らぬ顔で会場を後にするという完璧な計画です[E:happy01]。
当日は仕事のため周囲にもばれないようにしなくてはいけません。16時20分くらいに大体その日にやるべき仕事を終え、じゃあそろそろという時に舞い込んでくる違う仕事・・・。なんとかそれも終え16時40分くらいにさあ出よう!というときに今度は幹事の人が今行くので一緒に行きましょう!と言われ更に待つこと5分。やっと出てきてタクシー[E:car]に乗り込もうとした時に更に会社の人数人と車ですれ違うという、なんとも隠密行動が出来ない性格丸出しに。更にタクシーの運転手さんはここら辺の道に詳しくないそうで、何とか行って貰おうとするものの行き止まりの道に・・・。そこから近かったので、降りてしまいました。運転手さん、変なところで停めてしまい申し訳なかったです<(_ _)>
ようやく会場に着いてセッティングです。置く場所の選定から始まり、電源の確保などをやり17時15分くらいにセッティング完了!となったのですが、音は良い方がいいなあと思って携帯用のBOSE M3を持って来ていたので、それをつなぐ新たな電源を探し回り、ピアノにセッティングし、さあいよいよ音出しをしようとしたそのとき、新郎新婦が会場にやってきました[E:coldsweats02] さすが、時間に正確です。
もう挨拶もそぞろに逃げ出すように会場を出てしまうことに・・・。後で聞いたら何をやっているかさっぱりわからず、ちゃんとサプライズに出来たようですが[E:coldsweats01]
会場を逃げ出した後、自由が丘の街を放浪し、そういえば山野楽器が近くにあるからそこに置いてある電子ピアノとかで練習が出来るではないか!とグッドアイディアが浮かびました。そしてそこに行くと、しっかりとたくさんの電子ピアノが。そこで早速練習を始めます。
しかしそこに強力な敵が出現!
その敵、いや、かわいらしい10歳くらいの女の子[E:virgo]がやはりピアノの練習を兼ねてか他のピアノを弾いていました。その子の方がよっぽど上手いのが更に問題なのですが、やっぱり耳に他のメロディが入ってくるので邪魔じゃ!と思ったのでしょう。音量を結構上げてきました。そうなると今度はこちらの音がさっぱり聞こえません。なにを!と対抗して音量を上げて弾くことに。ちょっとしたら店員さんがまずは私のところに、続いてその女の子のところに行って「申し訳ございませんが、もう少し音量を下げていただいてよろしいでしょうか?」と。この戦いは痛み分けだったものの、とにかくはずかしかったですね・・・[E:coldsweats01]。
そんな下準備もありながら、会場に戻りいよいよ開宴です!
頼まれもしないのに撮影係をして、いろいろと写真を撮りながらご満悦だった自分なのですが、出演時間は刻一刻と迫ってきます。立食に近いビュッフェスタイルのでのパーティーだったので席は自由に移動できるのですが、ピアノの近くに寄ると目線が行ってしまうのでそこには近寄らないようにしてうろうろしていたら幹事の人がやって来て「次ですけど大丈夫ですか?」とお気遣い。でもちょうどスピーチが続いていたのでまだ写真を撮り続けていました。
そしていよいよ出番です。
音楽を全くやっていない自分、しかも何かの集まりではいつも長々とお話をする自分なのですが、今回はそれを外していこうというのが今回のサプライズの主題だったので、まず司会の人に「では祝福のお言葉を」と振って貰いました。
そこで、「私は話すことが苦手なので、1年前に始めたピアノで祝福させていただこうと思います」と言っておもむろにピアノの方に。
新郎新婦に歌詞を書いた紙を渡します。
「かえるのうたが きこえてくるよ くわくわくわくわ けけけけけけけけ くわくわくわ」と書いた振り向いたカエルの絵が描かれた一筆箋を。
そして一本指で単音のメロディーで弾きます。新婦は唖然としています。この話は前日に幹事さんと何かの拍子にちょろっと出た話だったんですが、それを悪のりして採用しました。「本当にやるんだ・・・」という幹事さんのつぶやきの声がばっちり聞こえました[E:coldsweats01]
で終わり、「カエルの歌は帰るに通じるから、幸せな家庭を」なんてつまらんことを言って、なんと反応すれば良いか戸惑っている新婦さんを見た後、「あっ、間違えました。本当に演奏しようとしていた曲はこれです。」
と言ってバラの絵が描かれている紙に原文と訳のそれぞれを記載したものを再度お渡ししました。それが下記の歌です。
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“The Rose”
Artist: Bette Midler
Words & Lyrics by: Amanda McBroom
Some say love it is a river
That drowns the tender reed
Some say love it is a razor
That leaves your soul to bleed
Some say love it is a hunger
And endless aching need
I say love it is a flower
And you its only seed
It’s the heart afraid of breakin’
That never learns to dance
It’s the dream afraid of wakin’
That never takes the chance
It’s the one who won’t be taken
Who cannot seem to give
And the soul afraid of dyin’
That never learns to live
When the night has been too lonely
And the road has been too long
And you think that love is only
For the lucky and the strong
Just remember in the winter
Far beneath the bitter snows
Lies the seed that with the sun’s love
In the spring becomes the rose
(訳)
人は言う 愛は濁った川の流れのようだと
弱く傷つきやすい人を飲み込んでしまうと
人は言う 愛は冷たい刃のようだと
人の心を容赦なく切りつけると
人は言う 愛は飢えのようだと
どれだけ求めても満ち足りることのないものだと
私は言うわ 愛は花だと
そしてその大切な種が、あなたなのだと
傷つくことを恐れる心では、
楽しく舞うことができない
夢から覚めることを恐れていては、
チャンスをつかむことができない
愛を与えることができない人は
愛を受けることも決してない
死を恐れていては、
生きることの意味を学べない
ひとりで寂しく過ごす夜や、
目の前の道を遠く長く感じるとき、
また、愛は心と運の強い人にしか
やって来ないものだと思ってしまうとき、
どうか思い出して
厳しい冬、冷たい雪の下で寒さにじっと耐える種こそが、
暖かい太陽の恵みを小さな体いっぱいに受けて、
春、美しい薔薇になれるのだということを

本当にいい歌詞とメロディなんです。もしご興味ある方はこちらを。いろいろなことを考えさせられる歌詞ですよね。発表会の記事の時に出そうかなと思っていたのですが、ここまで我慢することにしました。「傷つくことを恐れる心では、楽しく舞うことができない。夢から覚めることを恐れていては、チャンスをつかむことができない。愛を与えることができない人は愛を受けることも決してない。死を恐れていては、生きることの意味を学べない。」のところが特に考えさせられます。
演奏は相変わらずつっかえたりしたものの、何とか最後まで弾ききることが出来ました。ホワイトアウトにはならず、さびのところもしっかり弾けたのは良かったです。1フレーズだけ弾き直してしまったのは反省点ですが。こういったのは本当に場数ですね。こうやって人前で演奏するということに慣れていくのでしょう。
どうやら新婦さんにも喜んでもらえたようで、上司としてもほっと一安心でした。
パーティーもお二人ともほのぼのとした明るい人柄の方なので、あたたかい雰囲気の漂うすてきなものでした。末永くお幸せに!
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※なお、ここで掲載した2つの写真はNikon D90 + AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G(IF)で撮影しました。かなり光量が少ない中、手持ちでああいった感じです。高感度(ISO1000,2500)+VR2の威力はすさまじいですね。ノイズもそれほど乗らず、さらに手ぶれもかなり抑制されています。本当にすごいなあと思います。

「ピアノの続きと披露パーティー」に4件のコメントがあります

  1. あなたの文章を読んでいて、
    心がなごみます。
    あなたの会社の雰囲気、
    あなたの上司ぶり、
    社員さん・・・・
    本当に、「いい会社だなあ」
    と思います。
    心に残る披露宴というのは、
    心の糧になりますね。
    1週間前、姪が最後に新郎の前で
    「カノン」を弾きました。
    息子や娘によれば、「カノン」は
    いろいろな楽器で合奏すると易しいのに、
    ピアノ独奏は、むつかしいのだそうです。
    美しく、迫力のある音色でした。

  2. キャーーー
    超カッコイイ〜サプライズ!
    凝りましたねぇ[E:happy01]
    うまいオチ、というかウマイ対比法だよね[E:sign01]
    自分だったら綺麗にまとめようとして正攻法でイキナリ本命曲いっちゃいそうだなぁ[E:sweat01]
    かえるの歌の時の場の雰囲気を見てみたい(笑)
    しっかし隠密でドキドキ、緊張ドキドキだったろうによくもったね〜度胸あるわー
    しかもマンガの様な出がけのドタバタで(笑)
    こちらも日曜日がカミサマの降臨記念日なんで泥縄ギリギリでサプライズやりましたよ[E:happy01]
    作戦はまると気持ちいいんだよね[E:scissors]ウチでは演出不足でしたがorz

  3. 文武両道さん
    コメントありがとうございます。
    自分の目線で見ているものと周りから見る目線というのはどうしても違うので、社員さんが会社をどう見ているかはやはりいろいろだと思います。そこまで理想的に出来ていないとも思いますし。
    ただ、この前のパーティーでは多少は喜んでくれた様子が見えたのでホッとしました。
    カノンは凄く論理的な構成だけに、ピアノだけでその調和をとるのはさぞや難しいのでしょうね。
    文武両道さんの周りの方こそ、みなさん思いやりに溢れた素晴らしいご家族や親戚の方々ですよね!
    では、今後ともよろしくお願いします。

  4. げんきさん
    コメントありがとうございます。
    格好良い形では無かった気がしますが、ああやっていろいろ考えるのは楽しいものです。
    かえるの合唱(が正式名称だそうです)の時のあの決まりの悪い空気は確かに面白かったです[E:happy01]
    まあやっぱりドキドキしてしまったので、もっと上手くできたかなあとも思ったりしていますが。
    それより奥様に対してきちんとサプライズを用意しているなんてさすが!ですね。げんきさんのまっすぐな温かい気持ちのこもった演出は、奥様にとってもきっと宝物のようなものになるのでしょうね。[E:shine]
    では、今後ともよろしくお願いします。

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