続多事争論 -同じことを思う人はいるんですね

前回の多事争論、多事争論 -これが100年に一度の経済危機の時代の政治?にて、自分はこんなことを書きました。

また、最近の与謝野財務・金融・経済産業大臣の発言も、首を傾げるを通り越して、憤りすら感じる内容です。
(中略)
このお方は評論はたくさんするのですが、じゃあ一体どうするの?ということに対して寡聞ながら、明確な道筋を提示した印象がないのです。ここ最近で言ったことと言えばリーマン後に蜂に刺されたくらいだと言ってみたり、給付金で対象者に富裕層は含まれないと言ってみたり、外してばっかりじゃないかと思うのです。なぜ政策通ともてはやされるのかが、よくわかりません。
評論についても、じゃあどういったところが問題点で、どこら辺が順調に成長していくという前提の経済学だったというのかを示さず、規制緩和についての話も「間違った信心」と切り捨て、何が悪いのかがさっぱりわかりません。

で、今日ダイヤモンドオンラインにこんな記事が掲載されましたので、ご紹介します。

糾弾されるべき与謝野大臣の妄言+先週のテーマ「メディア再生のヒント」の補足 岸 博幸さん
 経済の混乱が深まる中、与謝野大臣がとんでもない発言を二つもしました。それがいかにおかしなものであるかをどのメディアも報道していないので、私が解説したいと思います。
(中略)
与謝野大臣の妄言
 さて、それでは今週の本題です。与謝野大臣がとんでもない発言を国会で連発しました。一つは、「(規制改革会議に関連して)規制緩和はすべて善という信心がはやったが、間違った信心だ」、もう一つは「(小泉内閣での政策金融改革は)世界が順調に成長していくという前提の経済学で、世界が同時に不況になることをまったく想定していなかった。間違いだった」という発言です。一体これらの発言は何なのでしょうか。
 与謝野大臣は小泉政権の後半に自民党政調会長、経済財政政策担当大臣といったポジションに就いていました。規制改革について言えば、その間も規制改革会議は活発に活動していたのに、何故そのときは何も言わず、今になって規制改革を非難するのでしょうか。
 また、政策金融について言えば、「政策金融改革の基本方針」が2005年に経済財政諮問会議で決定されたとき、与謝野大臣は諮問会議を仕切る経済財政政策担当大臣でした。おかしいと思うなら、なぜそのときに職権を賭して止めなかったのでしょうか。
 おそらく、小泉政権の間は怖い総理に逆らうのが恐ろしくて黙っていただけなのでしょう。それが、怖い小泉さんの重石がなくなったので、安心して好き勝手を言い出したとしか思えません。麻生総理が小泉政権の間は何も言わなかったのに今になって“実は郵政民営化に反対だった”と発言したのと全く同じです。冷静に考えると、その程度の人たちが国のトップと経済政策の司令塔を務めているというのは、恐ろしいことではないでしょうか。
 かつ、理解できないのは、与謝野大臣は現職の経済閣僚であるにも関わらず、出来の悪い評論家のような発言を平気でしていることです。無責任極まりないと言わざるを得ません。今の日本の景気後退は、欧米の金融危機の影響もありますが、政策の誤りと経済無策という日本固有の原因が大きく作用しています。経済政策の司令塔の立場にありながら、自分の政策の失敗も顧みずに守旧派に迎合するような評論的意見を言うべきではないと思います。外人投資家の日本に対する信頼が一層落ちるだけです。
ジャーナリズムも反省すべき
 そして、個人的に非常に気になっているのですが、この与謝野大臣の問題発言について、なぜすべてのマスメディアは事実を淡々と報道するだけで、上記のような問題点を指摘しないのでしょうか。おそらく、民主党小沢代表の政治資金などもっと大きな問題がある中で、この問題までしっかりフォローする余裕がないのでしょう。
 しかし、与謝野大臣の発言は二つとも、実は官僚が喜ぶ内容ばかりなのです。規制改革批判はすべての役所が喜びます。政策金融改革の逆行は、特に財務省は大歓迎でしょう。悪く考えれば、与謝野大臣の周囲の官僚が振りつけていてもおかしくないかもしれません。経済政策の司令塔がこのような発言をしたということは、景気悪化に悪乗りした官僚の影響力増大への布石ともなりかねないのです。
 もちろん、マスメディアの皆さんに、今の経済政策やそれを担当する布陣をとにかく批判しろなどと言うつもりはありません。ただ、このような重要なインプリケーションを持つ事象については、過去の事実なども含めてある程度分析した上で賛否両論を示すのが、ジャーナリズムの使命ではないでしょうか。
 マスメディアの報道については、記事内容がコンテンツであり、取材・調査分析能力はコンテンツの制作力に他なりません。マスメディアがビジネスモデルを進化させて再興を果たすに当たっては、そのこれからのコアコンピタンスとなる制作力の強化が不可欠なのですが、与謝野発言の報道ぶりを見る限りちょっと心配にならざるを得ません。政治の世界もマスメディアの収益も激動する中で本当に大変と思いますが、関係者の皆さんの一層の奮起を期待したいと思います。

指摘している言葉も、その内容もあまりにも似通っているので、びっくりしました。でもそう思う人もいるんだな~と思うと、それも自分よりよっぽど頭の良さそうな人がおっしゃっているのを見ると、なんだか嬉しくなります(←結局ミーハー?)
最近ニュースでは麻生さんと小沢さんを「究極の選択」扱いしていますが、その理由が「漢字が読めない総理」と「なんだか金権政治の小沢さん」みたなくくりですからね・・・。私も今の状態だと確かに「究極の選択」だと思いますが、その理由は共に日本の今後を切り開くビジョンがあまりにも見えないと言うところから感じます。
ちなみによく金権政治とか金のかかる政治はやめよう!みたいなことをやっていますが、ところでどんなイメージなんでしょう?お金をたくさん持っていて、大きな池に鯉が泳ぎ、サングラスをしたSPが見守る中、密談を繰り返す、みたいなイメージなんでしょうか。
私が思うに、これだけマスコミが各政治家、政党の政策を検証したり対比したりすることなく、わかりやすいイメージを伝えているだけの昨今の情勢であれば、自ずと露出が多く、イメージの良いCMを流した方が選挙の勝ちにつながると思います。まさに普通の商品と同じです。すなわち、広告宣伝費が今の時代かかりすぎる。それが金がかかる政治の根幹だ!ってマスコミは言わないのでしょうか?やっぱり自分の局の広告収入が減るのはまずいから?そういったことを指摘しないところも、おかなしなことだと思っています。
いずれにせよ、どうでもいい話を国会でしているような暇が今の日本にあるのでしょうか?政治家もマスコミも早く気づいてほしい物です。

「続多事争論 -同じことを思う人はいるんですね」に2件のコメントがあります

  1. こんばんは!
    前回の多事争論の流れが続いていますね。
    まとめて雑感をコメントさせてください。
    西松さんの一連の件は、やはり自民党の主要議員にも及んできました。
    結局、与党が長い=代わらないと、政産の癒着は無くなりませんね。中国の共産党も然り、です。
    特にこちらの業界のイチローさんは、自民党の中枢中の中枢に居られた超主流派でしたから、何も無いわけが無い。
    日本のリーダ選びに当人の過去を考慮するならば、イチローさんはちょーっと推せないですね。
    いや、小生的にはだいぶ推せません。
    特にアメリカのヒラリー国務大臣が来日された際の応対と顛末が余りにもお粗末、無作法、無思案すぎて幻滅しました。この時、あぁリーダーは任せられないな、と思いましたね。
    それ以前の民主党とイチロー党が合同するときにも正直「えー」と違和感を覚えましたね。当時民主党は数が欲しかったのでしょうが・・・
    いっそ今回の件でイチローさんには退場いただいて、それから選挙で鈍重拙速な自民党と白黒つけてもらいたいものです。
    さて、管理人さんは根っからの○主党嫌いでおられるようなのでイチローさんの件はこの辺にしておきます[E:coldsweats01]
    もう一人の主人公、与謝野さんも「消費税率引き上げによる財政再建しか頭にないかた」というイメージがあります。いくらなんでもガンを患ったかたが3つも4つも大臣を兼任するなんてのはナンセンスです。危機管理も意志決定も何もあったもんじゃないと思います。
    経済政策でウダウダされたせいで、こんなご時世にもかかわらず35年長期金利が上がってしまった怨みは忘れませんよ(笑)
    そういや経団連会長さんもまだ捜査の手が伸びてないのでしょうか。お友達は選ばないといけませんよね。
    それではまた!

  2. げんきさん
    コメントありがとうございます。
    さて、お返事を書き始めたら止まらなくなったので、新しい記事にて書かせていただきました。お時間あるときにでも一度ご覧いただければと思います。

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