続々多事争論 -金権政治、癒着はなぜいけないのか?

この前投稿した記事の「続多事争論 -同じことを思う人はいるんですね」にて、げんきさんからいただいたコメントに返信していたら長くなりそうだったので、新しい記事にすることにしました。
最初に申し上げますが、これはあくまで個人的なブログの為、展開している主張もとても主観的なものです。決して「これが正義だ。これが正解だ。」とするようなものではけっしてないので、ご了承下さい。
げんきさん
コメントありがとうございます。
仰る通り、人間はどうしても主観的な動物であり、政治において恣意的な判断が往々にして為される事は避けられません。なので、政権に長く座るとどうしても癒着が生じがちです。
では、ちょっとこの記事でも書いたのですが、ではなぜ癒着がいけないのでしょうか?なぜ金権政治がいけないのでしょうか?
なんとなくお金というものにダーティな印象があるので、それだけで悪と思ってしまうこともありますが、そう言っていく為には自分たちが金銭にする欲を無くしていく必要があります。ただこの貨幣社会でそれは不可能です。実際、金銭というものが、自分の労働に対する正当な対価だと考えられれば、そんなに悪いものでも無いはずです。
では、なぜいけないのか?それは国にせよ都道府県にせよ会社などにせよ、そこにおける意志決定に於いて合理的な判断がなされない恐れが多分に出てくるからということに尽きると思っています。
例えばA業者さんがB大臣に賄賂で1万円(安っ!)を渡したとします。そしてB大臣は国として何かを発注する際、見積もりを取ったら本当はC業者さんの方が1億円安くその仕事をやってくれて、かつ仕事の内容が素晴らしいにも関わらず、A業者さんから1万円を受け取ったばっかりにA業者さんに発注します。当然国としてはB大臣が1万円を受け取ったばっかりに1億円の損をしてしまった!これは国民の払う税金から出て行ったのでした。となってしまうからです。癒着も同じですね。
つまり繰り返しになりますが、金権政治と癒着が問題だとすることは、すなわち政策決定に於いて合理的な判断がなされない恐れがあるからだと言うことに尽きるわけです。
その上で、この前の記事に書いたことですが、「金のかかる政治」になってしまっているのはなぜか?ということが繋がります。これは別に私腹を肥やす人ばかり(中にはいるでしょうが)だから問題というわけではないでしょう。今回の小沢さんも贅沢をしたいから西松建設から献金を受けていたわけではないでしょう。選挙に金がかかるから、これが諸悪の根源だと思います。
今の選挙において、じっくりと政策を判断して投票していると誰が言えるのでしょうか?普段のニュースを見て、未だされている法案のどこが問題で、各党はどう判断しているかということを主においているでしょうか?今であれば中川さんの酔っぱらいでもなく、小沢さんの献金問題でもなく、平成21年度予算をどう考えているか、海賊防止で出て行った海上自衛隊の法律的な仕組みをどう作るか、などの話をマスコミはすべきだと思いますが、やはりわかりやすい人間模様みたいな話ばかり。であれば、露出を増やし、イメージのみをよくするCMをたくさん出せる政党が優位に立ちます。これでは選挙にお金がいくらあっても足りないでしょう。でもそれが良い政治につながりますか?
選挙が政策本位で行われるように、マスコミもそれを中心に報道して、政治家もそれのみを訴えるような形にならない限り、または民主制政治体制でなくならない限り(選挙をしなければ金はかからない。でも違った意味で癒着の可能性が大きくなります。)、政治にお金はかかると思います。マスコミも判で押したように金権政治を憂うばかりではなく、自分たちのすべきこと、すなわち今の国の課題とそれに対する各党の見解、対案をわかりやすく説明することに力を注いでほしいものですね。政治の人間模様をわかりやすく、ではなく、各党の政策をわかりやすく説明してもらえることを切に祈ります。それこそが金権政治を防ぐ大きな一歩だと思います。
また、政治は権力闘争ですから、小沢さんが「はめられた!」と思うのも無理はないでしょう。何にせよ、偽メール問題で落ち込んだ党勢をここまで巻き返した(多分に敵失もありますが)のは、彼の豪腕の発揮以外の何者でもないと思います。
但しそこで主張したことが「生活第一」と銘打って農家の全戸補助を打ち出したり、高速道路無料を財源提示無しで行ったりした。一昨年の福田総理時代の国会の時、奥様の御尊父が大作家であることを途中から利用した国対委員長さんが「テロ特措法の審議を始めるのは自民党を利することになるから、まだ始めない。」とカメラの前で平然として言っていた姿に(国益を考えず政争優先をここまで露骨に表現するか?)と感じたことが重なり、今の民○党(一応伏せ字だったので[E:coldsweats01])が、とても評価する気になれず、ネガティブな評価ばかりになっていました。まあその他にも労働貴族出身者やら、自説をかたくなに崩さず相手を攻撃ばかりする方々が目に付いたこともありますが。
でも岡田さんの時や、特に前原さんの時なんかは結構好きだったんですけどね。
今の民○党が、普通の判断、合理的な判断をしてくれると思えれば、当然支持したいと思います。特に今の○民党の体たらくを見ていると。
与謝野さんについてあそこまで書かせて頂いたのは、今の彼には経済問題の殆ど全てに対して閣僚としての責任を負っています。その彼が、もちろん職責を果たそうと一生懸命やっているのはわかりますが、根本的な考えに於いて首を傾げることが多い今の現状は、とても残念でなりません。本当に誰かに聞きたいのですが、彼のどの辺りが政策通と言えるんでしょうか?官僚に踊らされているいるだけではないですか?ちなみに総務大臣も。
兎にも角にも政治家の一番の使命は国民の生活を安定させ、国益にかなう行動を取り、導いていくこと。それを価値基準においてこれからも見ていきたいと思います。
なんて、とっても偉そうですが[E:coldsweats01]

「続々多事争論 -金権政治、癒着はなぜいけないのか?」に5件のコメントがあります

  1. 農業

    親から農地を相続したけれど、農業をする気にはなれない。
    相続した農地をどうしたらいいのか。
    現代の離農問題、担い手の高齢化から、耕作放棄地などの遊休農地が増加しています。

  2. こんばんは
    やっぱり管理人さんは凄いですね!頭使ってるし国会をよく見てるしよく覚えてますよね!
    管理人さんの言われること、よく解ります!
    全くその通りですよね!
    金権政治は往々にして、国益でなく特定の贈賄者の便宜を図っちゃう結果になるのが、マズいですよね。
    特に派閥の親分は子分に選挙資金をバラまいて、国会での票を取り纏めなくちゃいけないからパー券売ったり献金募ったりするわけですよね、きっと…
    しっかし○主党も最初は寄せ集めでしたから、万年野党ズレした揚げ足取りのヤジ将軍も未だに居ますよね…
    石井なんちゃら翁とか…
    自民も内閣改良(改造では駄目)しないなら、何も変わらない、好転しそうもないですね。
    どっちがマシか、なんてネガティブな消去法なんて国民にさせないで下さいよね[E:bearing]
    独立自尊党に一票。

  3. げんきさん
    コメントありがとうございます。
    全く独りよがりの意見にいろいろ反応頂き申し訳ない限りです。
    さて、ひとつだけ。中選挙区時代は間違いなく派閥の親分が選挙資金をばらまいていました。しかし、小選挙区となり同一選挙区内での同じ党から立候補が限りなく少なくなり、また政党交付金が出されるようになってからは、親分の役割が無くなってきてしまっています。だから、最近の親分は小粒なんでしょう。
    だからこそ、不特定多数の選挙民に対してそれも政策を訴えても余りうけないので、ポスターだの名前の連呼だのに人員とお金をばらまかざるを得ず、結果お金がかかるんだと思います。
    正直政党がある限り、一人一人の議員の個性よりも、政党としてどう対応するかをはっきりと見極めることがお互いに大事だと思います。政党の動きそのものが議会制民主主義ですから。
    そのためにもしつこいですが、マスコミが人間模様本位ではなく、例え難しいとかよくわからんと言われようが、しっかりとお互いの政策を理解し、不偏不党の立場で紹介していって欲しいものです。

  4. わかりやすく、論理的な文章を書く、
    客観的な分析をしたうえで、
    自分の主張をしっかりしていく。
    いつも感心しています。

  5. 文武両道さん
    コメントありがとうございます。
    掲示板といい、こちらでのコメントといい、身に余る、というか身に覚えがないくらいに褒めて頂き、感謝すると共に、恐縮汗顔の至りでございます。
    まったくそのような立派な人間ではありませんが(今日も仕事上での人間関係に悩むようなちっぽけな男です)、お読み頂いている有り難さを感じ、これからも続けて参りますので、今後とも宜しくお願い致します。

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