平成21年春季リーグ東京六大学野球 慶早戦 一回戦 観戦記

早速ですが、今日の慶早戦の観戦記でございます。
Runnnig
練習は後攻のため、慶應の練習から始まりました。各選手ともほどよい緊張感とリラックスがなされているように思えました。
特に自分から見て目立ったのが青山君。フリーバッティングの時の当たり、キャッチボールの時の気合いの入ったスロー、捕球。今までのものが吹っ切れて、今日の日を迎えたように見えました。
なので、フリーバッティング雑感にてあのように書いたのです。
他には重複しますが、伊藤君のスイングスピードの速さが他の選手より抜きんでていたり、竹内君が振れている印象であったり、渕上君がシュアーなバッティングで確実性のあるバッティングをしていたのが目立ちました。
さて、試合開始です。実は自分は外野席になってしまったので、今日来ていた学生時代に在籍していたサークルの現役さんのところにお邪魔して、応援することにしていました。当然、彼らは慶早戦は余り馴染みが無く、応援の仕方もとんと知らない様子。これは布教活動と、外野の応援のてこ入れを兼ねて(ひどく自惚れていますね)、気合いの応援をすることに。なので、どうしても断片的になってしまっているので、ご容赦を。
立ち上がり中林君は、それなりに安定していました。ただ初球がボールから入りいつも2ボールまでいってしまうことが少し気になりました。後は、今後の課題だと思いますが、今季は余りにも投球フォームのばらつきが目立ちますね。同じ1回に撮った写真ですが、この違いを見て下さい。
Aパターン
Bayashi1
Bayashi2
Bayashi3
Bayashi4
Bayashi5
Bayashi6
Bパターン
Bayashi11
Bayashi12
Bayashi13
Bayashi14
Bayashi15
Bayashi16
Bayashi17
やはりこれだけばらつきがあると、なかなか修正をきかせにくいところがあると思います。フォームを固める作業をこれからやっていけば、まだまだ伸びることでしょう。
さて、塾野球部は2回、3回と立て続けに斎藤君を攻め立てます。
2回は1死後湯本君がヒットで出塁。続く小野寺君の時、ランエンドヒット(盗塁主体に見えました)をかけ、小野寺君の打球はサード正面へ。しかし、サードの宇高君がランナーが走った時に目が一瞬ランナーに行ってしまいました。その後視線を元に戻すと目の前に痛烈な打球が!ということでトンネルを誘い、1死12塁とチャンスを掴みます。
ここで迎えるは青山君。確か2球目か3球目といった早いカウントで打った打球はレフト前にクリーンヒット!ここで二塁ランナーが本塁を狙うものの、レフトの山田君の好返球でタッチアウト!続く高橋君も敢えなく凡退でこの回チャンスを逃します。
3回は先頭の中林君がレフト前にクリーンヒットで出塁するところから始まります。竹内君がしっかりと送り、1死2塁。続く渕上君はショート前にしぶとく転がして、2塁走者中林君がうまくショートの前でフェイントをかけます。そのためショートが前に突っ込めず、ショート内野安打で1死1-3塁と再びチャンスを迎えます。ここで3番伊藤君の時、ディレイドスチールのような形で1塁走者の渕上君が走り、1死2-3塁とチャンスを広げます。が、粘った上で浅いライトフライ。3塁走者がタッチアップ出来ず2アウト。そして4番梶本君も倒れ、またもやチャンスを逃します。
そして、4回表、2塁にランナーを背負い、2アウトまでとったもののレフトオーバーの2塁打を宇高君に打たれ、1点先制される。更に続く土生君もセンター前ヒットで2点目。但し中継のカットマンの好判断で、土生君が2塁を狙ったところを刺しチェンジとなります。
そうすると、2回3回と活発に動いた塾野球部の攻撃陣が沈黙し始めます。4回裏は三者凡退であっさり終えます。
続く5回表は悪夢のような回でした。後藤君がレフト前ヒットで出た後、白川君は1塁線に送りバント。これを中林君が見送ってファールを狙おうとしますが切れずに、急いで送球するも間に合わず無死1-2塁。続く斎藤君もキャッチャー前にバント。高橋君がサードに投げますがまたもやセーフ。無死満塁となります。ここで松永君がきっちりと犠牲フライを打ち、3-0。続く土生君の当たりはボテボテのショートゴロ。これが内野安打となり、またもや満塁。ここで村山君にスイッチ。するといきなり山田君に死球を与え、4-0。続く原君がしっかりとライトに犠牲フライを打ち上げ5-0。このとき、本塁にバックホームをするわけでもなく、かといって中途半端にファーストに投げたため、走者がそれぞれ進塁して、2死2-3塁とピンチを広げます。まあ、ここは抑えて5-0tと点差がついてしまいました・・・。
ここからは試合は淡々と進んでいきます。
5回裏は二死から竹内君が四球ででたものの、その後も続かず。6回裏は先頭の伊藤君が倒れた後、梶本君・湯本君が連続四球で1死1-2塁のチャンス。ここで小野寺君が2塁ゴロ。素直に2塁目指して走った湯本君がちょうど捕球を終えたセカンドの目の前にやってきてそのままタッチ。そして1塁に送球され、ゲッツーとなってしまいます。
7回は先頭の青山君が三振で倒れた後、代打の山本君がセンター前ヒット。続く代打山口君が四球で続き、竹内君もレフト前ヒット!しかし自重し、山本君は3塁ストップ。2回に刺された後遺症が残っています。つづく渕上君がライトに犠牲フライを打ち、ようやく5-1と1点を返します。ただ伊藤君が続けず三振。
この後8回9回は三者凡退で終わり、5-1で完敗を喫してしまったゲームでした。
では、ここで感じたことを。
1)フォームの写真のところでも書きましたが、今季の中林君はやけにフォームがバラバラです。特に明治戦以降。どうしてしまったのでしょうか?ケイスポのインタビューも自分を責める言葉が続いていました。ストイックすぎて、自分にプレッシャーをかけすぎているのでしょうか?今日は粘ることなくマウンドを降りてしまいましたが、そこには彼の癒しの源、漆畑君がいなかったことも大きく作用していたのかもしれませんね。とにかく「気にするな!」としか言えないのですが。
2)2回3回の攻撃をもっともっと続けて欲しかったですね。あの足を絡めて、かつしっかりと強いゴロを打つ姿勢は相手にとってイヤだったはずです。その後しばらくは斎藤君はやけに牽制球を投げていましたから、きっと効果的だったのでしょう。
そこでもう一つ言わせて貰うとすれば、3回のディレイドスチールもどきの時。あれは多分スクイズのサインの見落としがあったのでしょう。なので伊藤君は慌ててバットを引き、スクイズ前提で走っていた渕上君も焦ったに違いありません。でもセーフ!と結果オーライになりました。このときです。みんな平然とすることが出来ずに、いかにも「ああ、スクイズを見落としたんだな」とわかるような素直な態度を3人ともとっていました。もしかしたら勘違いかも知れませんが。あの時は平然とし、「これも作戦だぞ、斎藤君」とプレッシャーを与え続けて欲しかったですね。
3)追い詰められた時の走塁
3回の時のショートに飛んだ打球のかわし方、中林君見事でした!
6回の時のセカンドに飛んだ打球に向かっていってしまった湯本君、ちょっと正直に行きすぎましたね。
追い詰められた時ほど、一度深呼吸をして、周りを見渡すべきですね。もうちょっと客観的に自分を見て欲しかったかな。
4)捕手問題
選手の起用云々はいろいろな要素があるし、それについては極力言及を避けてきました。ただ、本人には大変申し訳ありませんが、やはり打線がどうしても途切れる。盗塁、バントなどの時に肩の強さがどうしても出る。それらはリードだけでカバーしているとも思えないのです。もしリードがと言うのであれば、あの魔の5回の時、もっと内野に声をかけるべきかな。その後の5回裏の先頭打者の時、あっさり2-1から見逃し三振ではなく、ボールに食らいつく姿勢が見られなかったのが、残念でした。
9回裏2死。ようやく伊場君が代打で出てきました。「ここで俺が何とかしてやるんだ!」そういった気持ちが感じられるスイングで打席に立ちました。結果は出ませんでしたが、気持ちは伝わりました。ブルペンの壁にしておくにはもったいない男だと思います。
5)打線について
青山君、最初の打席のヒットが打点に繋がっていれば・・・。あのときまでの青山君はふっきれたような思い切りの良さが出ていたのですが、それ以降は・・・。なかなか神様もチャンスをくれませんね。今の青山君だと追い込まれるといろいろ考え込んでいる様が見えます。ここは早いカウントで思い切って打っていく。そんな姿勢で打席に入り、このイヤな雰囲気を断ち切りましょう!
他にフリーバッティング雑感で触れた各選手が、それぞれ良い働きをしていたように思います。すなわち竹内君、渕上君。伊藤君はあの雰囲気に飲み込まれてしまったようですね。これもまた経験でしょう。
明日は積極的なバッティング、それも低くて強い打球が打てるといいですね。
6)斎藤君
しばらく見続けてきた彼も、あと多くても春、秋、春、秋と4回くらいしか見ることが出来なくなるのですね。
今までよくわからないけどしっかりしているなあといった印象の彼でしたが、なんだか今日は理解しながら見ることが出来たような気がします。
それは「早稲田力」に掲載されていたインタビューにありました。

「(前略)僕は早実にいた頃、よくホームランを打たれたんですが、なぜホームランを打たれるのかなあと考えたんです。やっぱり甘いところにいったら打たれますけど、それ以前に、フルスイングをさせている自分がいるんじゃないかと思い当たりました。ピッチャーにとっては、バッターに考えさせないまま、1,2,3で振られるのが一番、怖いんです。だからただ強い球を投げるだけではなく、どこにどう投げたら、相手がフルスイングできない状況を作れるかを考えるようになりました。」
大事なゲームの初球、スライダーから入った理由を問うてみる。すると彼は、事も無げにこんなふうに言う。
「それは相手がスライダーを振らないからです(笑)。」

彼はキャッチャータイプの投手なんですね。相手に精神的なダメージを与えることを主眼としたピッチングだったわけです。なので、割と裏をかこうとして投げています。ストレートをバシッと外角に決めて1ストライク。あれだけのボールがあれば次もと思って待っていると、次は同じフォームから縦のスライダーを低めに投げ込み2ストライク。ここまで追い込んでしまえば後はいくらでも。また下級生など早めに目を摘み取っておきたいタイプにはストレートの真っ向勝負を最初は挑み、しばらく投げても粘るようならスライダーのコンビネーションを混ぜるとか。
なのであれば、ちょっとセオリーを外した考え方で待ち球を決める。いわゆる彼がなめている打者にはストレート狙いを徹底させる。なんて対策がいいのでは。あとは2ストライクになる前に勝負。出来ることなら初球がストレートの確率が高いので、ストレートを狙う。またチャンスの時も彼はコントロールがいいので、ファーストストライクを早めに取りに来る。なのでチャンスの時は初球のストレートにヤマを張るとか。
爽やかそうに見えて、結構腹黒く、サディスティックな趣向の持ち主なんだなあと思いました。(勿論野球場での話しで、普段はとても素晴らしい人格者と聞いています)
7)早稲田の捕手
今日は白川君でした。甲子園の時は余り感じませんでしたが、彼は余り肩が強くないんですね。であれば、ランナーの揺さぶりは有効です。もし3戦までもつれこんだらきっとまた斎藤君でしょう。彼は白川君をよく知っているだけに、なんとかフォローしようとしてくるはず。そうやって彼が言うように「フル投球できないようにする」といった意味で、どんどんリードをとったり走ったりでプレッシャーをかけることが効果的だと思うんです。
8)漆畑君の不在
どうやら骨折したのでしょうか?これは痛いですね。内野でまとめる人が今日は余り決まってなかった印象を受けました。これは気っぷの良さからも、梶本君がその役に適任だと思います。明日の試合、梶本君が内野を引っ張っていって欲しいです。
いろいろ書きましたが、六大学は対抗戦。勝ち点を要は取ればいいんです。明日の試合、良いところは伸ばして、悪いところは反省して、勝利をもぎ取って下さい!塾野球部。
【番外編】
というわけで外野席でエンジョイ応援を繰り広げていました。
とにかく気合いを入れていこうと。
周りの後輩達は、普段はコート上で声だしとかをやっているらしいので本来こういったのは苦手ではないのでしょうが、いかんせん慣れていません。最初はきょとんとした顔で見ていました。きっと、「このおっさん、一体どうしちゃったんだろう・・・。ネジの一本でも飛んでるんじゃないか?」みたいな。
しかし、段々エンジンがかかってきて声を出してくれるようになるんですが、チャンパの歌を知らない・・・。
外野席はそうでなくとも指導部も下級生部員が多いので、歌詞ボードがなかなかタイミング良く出てこない。なので、歌いたくても歌えない状態でした。今度の時はボードの出すタイミングも考えてもらえると、もっと盛り上がるような気がします。去年と同じように「早稲田を倒せ慶應!」とか決まったフレーズの時は、大変大きな声となっていました。
そんな訳で、ハッスルしていたら、塾高の応援指導部の子がわざわざ来てくれて
「元気が出る応援ですね!応援をされて結構年数が経っていらっしゃるんですか?」
と聞いてくれました。そりゃあ、君が生まれる前から神宮には来ていたからね、なんて言わずに「まあ、それなりに応援が好きなので」と答えましたが、なんだか嬉しかったですね。その後も通りかかる主に塾高の応援指導部の子を捕まえては、声を出し合って楽しんでいました。
また後ろからやけに大きな声が動かず出されているので、こりゃあ誰だろうと思って後ろを振り向いてみたら、なんと昨年まで指導部だったS富君。ぺこりとお辞儀をしたら返してくれたのでちょっと感激。その後ちょっと挨拶に行ったりしました。どうやら事情があったようで、外野席に潜入していたようです。
まあ、そんなわけで久しぶりに声を枯らし、応援をエンジョイしてきました。これで勝っていればなあ。応援の力で逆転して、感激の若き血を歌うといった経験を後輩達にさせてあげたかったなあ。
そういえば5-0とリードされた時、後ろに座っていた後輩の女の子がこう話しているのが耳に入りました。
「こういう時こそ、おおきな声で応援するべきだよね。」
全くもって仰る通りでございます。この一言が聞こえたことで、最終回まで気合いを入れていくことを決意しました。
応援も奥が深いですね[E:shine]

「平成21年春季リーグ東京六大学野球 慶早戦 一回戦 観戦記」に9件のコメントがあります

  1. 高い湿度の中、お疲れさまでした[E:rain]
    スタメン発表でいきなりマサカの漆畑くんと早稲田の杉山くんの欠場にビツクリ[E:sign03]
    代わりにセカンド5番に入った湯本くんを勝手に本日のキーマンに使命。
    湯本くん、二度出塁し繋ぎましたが…去年の三番四番が好機にことごとく沈黙…一体どうしたことだ[E:sign01]
    三番抜擢の伊藤くん、初めての慶早戦だからでしょうか、いつもと比べて、えっ[E:sign01]と見紛うようなブリブリ振り。凡左飛、浅右飛(タッチアップ憤死)、先頭打者で大中飛、最後は目一杯振り続けて空振り三振[E:despair]
    低く弾き返す打球はどうしたの…
    バヤシは再三先頭打者をだし苦しい展開…ボール先行、投球の間合いも長く、送りバントですらアウトがとれませんでした。失点を重ねる前に捕手を変えてみたかった…
    そんな中で光っていたのは
    松尾拓実くんの快投、長崎くんと組んで2回で3奪三振。バヤシほど球速でていないのにスゴいと感心しきり[E:sign01]2人にもっと機会を与えられると面白い[E:sign02]
    明日は新旧の主軸打者に必死で頑張って貰いたいですね[E:baseball]
    ウルシの骨折はホントですか[E:sign02]好事魔が多し、でしょうか…しんぱいです。

  2. 書き忘れで連投すいません。
    バヤシのフォーム写真拝見しました。僕的にはBの時のほうがイイ球行っていたような気がします。岡島式ですが、143km/hくらい出ていたと思います。

  3. もし、わずか3ヶ月で球速が10km/h以上ものびたら・・・

    人一倍、トレーニング量はこなしているのに、球速が伸びない…あなたは、どうすればより速い球を投げられると思いますか?ピッチャーとしての理想的な身体を作る方法をぜひご覧下さい。

  4. げんきさん
    コメントありがとうございます。
    昨日の試合は、いつも出ていない人が活躍していましたね!拓実君、長崎君の活躍、代打の山本君のヒット。
    ただしこれはある程度無我の境地で入ることの出来る場面でした。すなわち点差がついてからの活躍。
    伊藤君も初めての慶早戦、雰囲気に呑まれてしまったかのような打撃であり、守備でした。
    立教戦第3戦の時のように、塾野球部は本来持っている力はこんなものでは無いと思います。いかんせんメンタル面が足を引っ張っている印象があります。
    さあ、これを打ち破ってくれ!塾野球部。

  5. 谷沢特任教授は、
    このあたりの研究もされているようです。
    今日も点差が開くと開き直って、結構いいところまで
    行く。しかしあと1点に届かない。
    4番になると、とたんに打てなくなる。
    下位がたまたま打って、1、2番で点をとるが、
    クリーンアップで切れる。
    9回のうち1、2回に集中打される。
    負けが決まる展開だと、後は抑える。
    技術よりメンタルと思わざるをえません。

  6. げんきさん
    コメントありがとうございます。
    漆畑君の骨折、本人が一番辛いんでしょうね。試合前の練習で、仲間にいろいろアドバイスを送っていました。
    中林君のフォーム、とにかく同じ投げ方で投げないと安定しないですよね。明治戦を境にがらっと変わってしまいました。なかなか難しいものです。

  7. 文武両道さん
    コメントありがとうございます。
    さて、本当に仰るように
    「点差が開くと開き直って、結構いいところまで行く。しかしあと1点に届かない。
    4番になると、とたんに打てなくなる。
    下位がたまたま打って、1、2番で点をとるが、クリーンアップで切れる。
    9回のうち1、2回に集中打される。
    負けが決まる展開だと、後は抑える。
    技術よりメンタルと思わざるをえません。」
    と全く同じ事を思っていました。同じ空気が伝染しやすいように思うんですよね。

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