ありがとう!バヤシ。これからも頑張って!

2004年の秋、それは、いつも通りネットサーフィンをしていたときに見つけたある記事から始まりました。
「慶應高校、45年ぶりの甲子園へ大きく前進」
確か、そんな見出しだったと思います。最初の印象はえっ!まさかといったものでした。記事を読んでみると、どうやらシニアで全国優勝したようなすごい投手がエースとして奮闘しているとのことでした。それが初めて中林君を知った時でした。
関東大会の結果はとても微妙だったものの、遂に春の選抜に出場決定!ちょうど秋に久しぶりに慶早戦を見に行っていたこともあり、(慶早戦に行きました!)、愛校心に火が付きます。
そんなことで足取りも軽く、いつもよく利用させていただいている奥沢の金物屋さんに行ったら「慶應高校、甲子園出場おめでとう!」の文字が。
あれ?なんでこんなのがあるの?と店の人に聞くと、なんでも中林君とそこのお嬢さんが小学校・中学校の同級生だったとのこと。そして、どれだけ彼が素晴らしい人間であるかを延々と聞かされました。真面目で優しくて男気に溢れてと、それはそれは絵で描いたような好青年のお話でした。
さすがにそれは言い過ぎでしょう!と思っていたのですが、画面に出てくる彼は本当にそんな感じの青年に見えました。そして初めて見たテレビの中の中林君は雨の関西戦を見事投げ抜き、歴史的な一勝を我々にプレゼントしてくれました。さらには次の福井商業戦でも好投!本当にすごい投手が塾高に来てくれたんだなあと実感していました。
その頃の彼は130km/h台の直球でしたが、コントロールが良く、粘りのピッチングを続けていました。
夏の神奈川予選では、下馬評では不利だった横浜戦、東海大相模戦での快投で決勝まで連れていってくれて、また決勝戦では力を全て出し切ってくれたんだなあと思わされる試合を見せてくれました。
そして、大学。年々逞しくなる肉体を見て、本当にいつもいつも彼は自分に妥協することなく鍛錬していたことがよくわかりました。そして相変わらずの好青年。特に加藤君が卒業した後は、慶應のエースの重みを深く感じていることが痛いほどわかりました。
エースの重責を果たすため、そして夢であるプロ入りのため彼は直球に磨きをかけるべく努力してきたのだと思います。
その結果、随分と全身を使って投げるフォームに変わりました。その結果直球は145km/hオーバーくらいにまでなりました。
しかしそれと引き替えに、やたら四死球が多くなりました。
今年の秋の時、横浜のスカウトに「マウンドでバタバタしなくなった」と評されていましたが、つまりはそのように見えていたということでしょう。
あれだけのプロへの憧れを持ち、そしてあれだけ努力してきた姿を見せられると、どうしても頑張ってほしいなあ、プロに入ってほしいなあと思います。
でも冷静に見ると、やはりまだプロ入りにはちょっと早いのかなと思ってもいました。
アメリカのメジャーのスカウトが言っていましたが、一番重視するのは打者への初球にしっかりとストライクを取ることができるかということだそうです。中林君の初球のストライク率は正直かなり低かったです。いくら貴重な左腕での145km/h投手とは言え、このままではプロ入りでも大成しないと判断されたのでしょう。
加藤君はまだストライクは取っていました。ただその加藤君でさえ、「なんとなくのコントロールでストライクを取りに行っている」と評され、実際にプロの厳しい洗礼を受けています。今ではそのコントロールに悩み、140kmオーバーのボールもなかなか放れないようです。
なので、中林君には社会人で何としても140km/h超のボールでしっかりとファーストストライクを取ることが出来るようになってほしいですね。それも「基本線」と呼ばれる、外角低め一杯の伸びのあるストレートで。それがないと、低めの縦スラで空振りが奪えないので。
そしてそのためにもリリースポイントは一定の場所で、力を抜いて投げる。ソフトバンクの杉内投手はそれを習得したことにより、驚異的な三振奪取率となったそうです。
もしかすると今までの中林君は我々慶應野球部ファンや塾生塾員のために、一生懸命投げてくれていたのかもしれません。であれば、これから先のまずは社会人では、是非自分のためにとことん投げてください。
そして大きな夢を叶えてほしいですね。
中林君、今まで本当にたくさんの夢を見せてくれてどうもありがとう!
そして、これから益々のご発展とご活躍を心から祈念します。

「ありがとう!バヤシ。これからも頑張って!」に21件のコメントがあります

  1. どうしても気になったのが、何でもない先頭打者への四球。
    それも投手に対して・・・
    これがプロのスカウトには気になった、ということでしょう。
    慶應の投手はプロで成功しない。
    そんな声もスカウトにはあるようで、何勝したかよりも
    四球の少なさ、直球の球威を重視しているようです。
    今度、江藤監督がプロの練習をすると言っていますが、
    プロに行ける素材にプロで成功させてあげたい、
    というお気持も伺えます。
    辛口OBは加藤君の臨時コーチも引き受けたとき、
    プロは無理、と感じたそうですが、
    加藤君の試合には多忙な日程でも
    ヤクルトの帽子をかぶったお父さんと一緒に応援されています。
    谷沢さんと親しい早稲田OBも斎藤君について言っていました。
    「田中と斎藤は随分差がついた。
    球威ではなく落ちるボールで三振をとるのでは
    プロでは通用しない。」
    いずれにせよ塾生新聞、管理人さんの中林論、
    愛情にあふれた現状分析ですね。

  2. 中林くんについては、お噂でしか存じ上げないのですが、文武両道の塾高推薦入試一期生として、語り継がれていますね。
    白村くんたちは、新しい大学の野球部監督下でどんな練習が待ち受けているのやら。
    夢に向かって頑張って下さい。
    私自身は6つくらいのハンドルネームを使っていますが、いつも似たようなことばかり書いているから、正体バレバレですね。
    ハンドルネーム変えようかしら。いま、ある人が私につけてくれた呼称がエラく気に入っているので。
    だけど、それは二人だけの秘密(キャー。)←朝からバカなことばかり書いてスミマセン。

  3. 2008年12月11日。(っていっても日付は今更覚えてないが)
    一部スポーツ紙にこの記事が出たときに、『そうか!引退後だよな。絶対にいかなければ』と思いました.。と同時にあそこにも書き込みました。
    http://hochi.yomiuri.co.jp/baseball/ama/news/20081211-OHT1T00117.htm
    管理人様も含めて、都合で行けない方々が多数いるなかで、ごり押し?でもいける事に感謝。そして4年前、やはり偶然見た関西戦も思い出しつつ観戦したいと思います。お土産期待しといてください! (〒西宮東支店に記念押印依頼しないと)

  4. 今、改めて2004関東秋を調べてみました。
    http://freett.com/k_station/2004aki/kanto/index.html
    私は、当然地元勢の勝敗が気になっていたので、浦和学院と塾高の日没再試合のことは覚えていましたが。もし浦和学院が決勝まで行ってなかったらと、、、いう大会だったんですね。

  5. 上武大が明治に勝ちました。
    アマに詳しい方が上武大にはドラフト候補がぞろぞろいる、
    とおっしゃっていましたが、
    塾野球部もオープン戦で負けています。
    このときは湯本君が低めのスライダーを技ありのホームラン、
    伊藤君がバックスクリーンの上を超え、樹木に弾丸ライナーの
    ホームランを観ましたが・・・
    当然、恵みの雨で野村君の先発と思っていたので、
    残念な負けでした。
    東海大相模のエースは早くも来年のドラフト1位候補とか、
    夏も厳しいですね。

  6. 文武両道さん
    コメントありがとうございます。
    さて、確かに最近の選手で思い出してみても山本省吾君、長田秀一郎君ですら苦労し、加藤君も大苦戦している現状ですから、なかなか難しいのでしょう。
    もっと言えば慶應出身でチームの大黒柱となった人は藤田元司さんくらいしか自分は思い浮かばないほどです。
    もっと広げて思い返すと、水原さんと三原さんの頃から今の高橋由伸君に至るまで、どうも詰めきれない印象がありますね。人の良さがどこかで出てしまうというか。こんな部分が、プロでの大成につながっていないのでしょうか?
    そういった中で結果ではなく、過程からの姿勢を重視する江藤監督が指導されることによって、どんな風な変化が見られるか?とても楽しみです。
    社会人に行く中林君、W大のS君、共に頑張って、願いを叶えて欲しいですね!

  7. フレフレ少女さん
    コメントありがとうございます。
    本当はコメント頂いた時すぐに返信したかったのですが・・・。まあ今更ながら、
    朝から何だかとても楽しそうで、何よりです。読んでいるこちらまで微笑んでしまいます[E:catface]
    個性豊かな1年生の今後の成長や、白村君たちの輝ける大学生活をこれからも楽しみに見ていきましょうね[E:happy01]

  8. 奇しくも一年前の11/19に日本一になった慶應高校野球部。
    今年は東海大相模が大垣日大を倒して日本一になりそうですね。
    来年は、東海大を倒して甲子園に行きたいものです。

  9. 黄色と黒は勇気のしるし♪さん
    コメントありがとうございます。
    いいですね~、神宮大会も甲子園の慶早戦も見に行かれるとは。替わってあげられるなら替わってあげたい。・・・、おや?言葉の使い方が違うような[E:coldsweats01]
    あの時の春は、まさに浦和学院の健闘なくしてはなかったものです。その結果ベスト8。そして今年の春、早実のベスト8もまた、塾高の健闘なくしてはなかったもののような気が・・・。因果は巡るものですね。
    あの3年間、間違いなく最強チームは駒大苫小牧でした。高校野球のチームって、思い出すと本当に夢のように儚く、でも美しいですよね。そのチームの主力であった林君とうるし君がチームメートになるわけですから、これは楽しみですね!

  10. 今日の決勝、東海の一二三君と日大の葛西君の投げあいに期待!葛西君は、東海大会にて、9回2アウトまでパーフェクトをした子らしいです。ちなみに葛西君は“かっさい”と呼ぶみたいです。(ウグイス嬢がアナウンスしてました)

  11. 明治神宮大会、神奈川二連覇ならず!
    東海大相模の監督、TVで見たことあるなあと思ったら、去年の夏の南神奈川大会決勝(TVK)で映っていたあの方でした。
    私が見たときは江川君が投げていて、彼がスリーランを打ったときは勝負あり!と思ったのですが、まさかその後に、激しい点の取り合いになるとは!
    それにしても寒い試合でした。
    周囲からは「こんな日に試合を見に行くとは、フリークorストーカー?」と言われてしまいました(笑)。

  12. なんとかサーフィンをしていたら、興味が湧くとこに
    http://www.izu.fm/shop/collegesong.htm
    それにしても、投げあいになると思ったら、まずは江川君が先発で。。。
    途中までは完全な相模ペースだったが(でも1回の攻撃はまずかったな)
    流れとは怖いものです(最後は雨の影響でボークになったとか)
    関東や東京の一部の高校は期待していただけに(桐蔭・甲府商・千葉商大・日大三あたり)とくに桐蔭OBのS島さんは相当期待してました(汗)

  13. 名将阪口監督は初球打ちを徹底。
    初球が一番甘いボールが来る。
    もちろん好きな球でなければ打たない。
    内は引っ張り、外は流す。
    点差が開いても焦らない。
    そう言えば、昨秋の塾高、今年の最後の早慶戦
    そんなバッティングに見えました。
    特に首位打者の小野寺君、
    流す一辺倒でなく引っ張って長打もあるところを見せて、
    将来、更に上を狙うと宣言していましたから。

  14. 阪口監督の指導方針、
    「上に立つ人間は絶対失望や落胆の表情を選手に見せてはならない。
    選手を褒めるときは全身全霊、本気で褒める。そして希望をもたせること。
    常に選手の気持ちを考えてやること。
    監督は勝負に入りこんではならない。「なぜあんなど真ん中の球をスクイズできなかったんだ。」と選手を責めてはいけない。監督の仕事はいかにして勝負に勝つかを考えることで、勝負そのものは選手の仕事である。」
    阪口監督から薫陶を受け塾野球部、中日に進んだ湊川君を思い出します。
    彼はイタリアのセリエAで野球を続け、今は中日OBのクラブチームのコーチをしているとか。塾と中日・・・広野、江藤、湊川・・・いますね・・・

  15. 慶應に・・・
    白村(慶応)、
    佐伯海(西条)秋山に次ぐ2番手投手
    山田(中京大中京)堂林に次ぐ2番手
    影山(桐蔭学園)2番打者、
    松本(桐光学園)4番打者、
    高馬(関西学院)4番打者
    早稲田も公表したので・・・
    もし差し支えあれば削除してください。

  16. フレフレ少女さん
    コメントありがとうございます。
    さて、2年連続神奈川の高校が優勝か?と思いきや、やはり野球はわからないものですね。
    ご覧になった監督はいろいろな意味で有名な門馬監督ですね。ちなみに取引先に完全な横浜高校フリークの方がいらっしゃるのですが、その方は一番好きでない監督だそうです。(かの有名な3ラン振り逃げの一件以来)。
    いずれにせよ秋の試合を見た時、ここ3回苦汁を飲まされ続けた塾高に対する思いを感じました。今度は我々がそれを返す番ですね!

  17. 黄色と黒は勇気のしるし♪さん
    コメントありがとうございます。
    真面目に自分へのプレゼントにオルゴール・・・、なんて考えてしまいました[E:coldsweats01]
    それはさておき、塾高を倒した時と同じリレーで東海大相模は決勝戦に臨みましたね。しかもリードして一二三君にリレーした訳ですから、万全の流れ。でもこういった事もあるんですね。いかに流れを自分達のところにたぐり寄せてキープするか、その難しさを感じる試合でした。
    副Jさんは残念でしたね。でもこの秋はいろいろなところが雪辱を期す結果になっているので、春になってそれぞれどんなチームになっているか、益々楽しみになってきますね。
    昔は「あなた買います」で映画になったり、国会で取り上げられたりと、仁義なき戦いを繰り広げていましたが、今やコンプライアンスの時代。そういった心配をするよりも、野球の裾野が狭まる心配をすべき時代ですよね。なんのかんの言っても地上波での野球中継は激減し、茶の間で気軽に見ることが困難な時代になってきています。今こそ、プロアマ交流の緩和ではなく、解禁となってほしいなあと思います。
    ちなみに細かいことで恐縮ですが、「天敵」だといつもそこに負けてしまう印象がありますので、ここは「宿敵」といきましょう。その宿敵にまたまたいい選手が集まってきたようですね。もっとも塾野球部にも素質溢れる1年生が入ってくるような情報もありますし、江藤新監督の下、素晴らしいチームとなってくれることを期待します[E:happy01]

  18. 文武両道さん
    コメントありがとうございます。
    最初、混乱してわからなくなっていましたが、大垣日大の監督で、以前東邦高校とかで一世を風靡された方ですね。鬼の形相→仏の笑顔となった方だそうですね。
    それにしても
    「上に立つ人間は絶対失望や落胆の表情を選手に見せてはならない。
    選手を褒めるときは全身全霊、本気で褒める。そして希望をもたせること。
    常に選手の気持ちを考えてやること。
    監督は勝負に入りこんではならない。なぜあんなど真ん中の球をスクイズできなかったんだと選手を責めてはいけない。監督の仕事はいかにして勝負に勝つかを考えることで、勝負そのものは選手の仕事である。」
    は、本当に共感します。確か文武両道さんと掲示板で最初に意気投合したのも、テレビに映った相場監督の不安そうな表情とかについて書いた時ではなかったでしたっけ?
    これは野球の監督のみならず、凡そリーダーと名の付く役割の人全般に言えることだと思います。
    塾と中日、思ってもいなかったのですが結構かぶる人がいるのですね。特に昭和40年代の中日って、何らかの形で塾野球部と関わる人が多くて興味深いです。
    それにしても素質溢れる新入生達が慶早に入ることになりましたね。早稲田應武監督の伝統の精神野球か(金曜日の報道ステーションで特集されていましたね)、慶應江藤新監督のプロ直伝の味も加えたエンジョイベースボールか、興味は尽きませんね[E:happy01]

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