水面下でのうごめき?

今日のニュースにこんなのが出ていました。

藤井財務相が辞意=健康不安で、首相は慰留(From Yahoo!ニュース
 藤井裕久財務相(77)は5日、首相官邸で鳩山由紀夫首相と会い、健康不安を理由に辞任したいとの意向を伝えた。これに対し、首相は「検査結果次第だが、これからも頑張ってほしい」と慰留した。政府関係者が明らかにした。藤井氏は昨年末から検査入院中で、通常国会乗り切りに不安を漏らしているとされる。「医師の判断を尊重する」とも語っており、辞意は固いとみられる。
 藤井氏が辞任すれば、昨年9月の鳩山政権発足以来、初の閣僚交代となる。18日召集の通常国会で、首相が早期成立を目指す2009年度第2次補正予算案や10年度予算案の審議にも影響は必至。政権には大きな痛手となりそうだ。辞任した場合の後任には、野田佳彦財務副大臣の昇格や、菅直人副総理兼国家戦略担当相、仙谷由人行政刷新担当相の横滑りが取りざたされている。
 藤井氏の進退に関し、首相は5日夜、「これからも頑張っていただきたい。当然のことだ」と述べ、続投させる考えを強調した。首相官邸で記者団の質問に答えた。
 ただ、民主党幹部は同日、「慰留しても予算案審議の途中で倒れたら、後任を選ぶまで1週間、審議がストップする」と指摘。その上で「予算を上げるのが財務相の最大の任務だ。それができなければ(政権に)大変な迷惑を掛ける」と述べ、医師の判断次第では辞任はやむを得ないとの考えを示した。 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100105-00000185-jij-pol

素直に読めば、藤井さんが体調不良で辞めたいと言っているところを、鳩山さんが慰留しているといった構図です。
しかし、政界絡みで「体調不良」という言葉がそのまま素直に使われることはあまり無いような気がします。
そもそも藤井さんは小沢さんの側近として新生党以来ずっと付き従ってきましたが、昨年の4月に当時の鳩山由紀夫幹事長に対し、小沢氏に早期辞任を促すべきだとの考えを伝えていた(こちらを参照)ことから小沢さんとの関係が疎遠になってしまっています。
そんな人間関係やら体調やらもあってか一旦は引退宣言(実は2度目ですが)をしましたが、「鳩山代表の特別な思いだ。政権交代した時には、藤井氏のような経験のある人が必要(こちらを参照)」とのことで、単独比例に名前を掲載し、当選後財務大臣に就任した経緯があります。
各大臣に「査定大臣として」と求めたものの、連立ゆえの複雑なしがらみやマニュフェストがあってか思うような予算編成は出来ずに、気付いてみれば過去最大規模の予算が出来上がり、かつ国債比率も最悪といった、大蔵省出身の方なら目を背けたくなるような予算。
その上、小沢さん周りの捜査が進んでいるといった状況も加味され、ここは身を引いた方がいいと判断されている部分もあるような気がします。
大晦日-元旦にかけての「朝まで生テレビ」である人がしきりと「ガバナンスが」という言葉を使われていました。その組織のリーダー、責任者・決断者というものは、自らの見識で決断を下し、自らの言葉でその理由を語ることが、民主主義では必要だと思います。それこそが「ガバナンス」だと思うのですが、誰もが認める真の実力者の方がその政策的判断については一切その理由を述べず、責任者と名の付く人は「みんなで話し合って」を繰り返している現状ではガバナンスがなっていないと言っても過言では無いでしょう。その上で予算の総責任者が辞めたらまさに無秩序状態。それが怖いからか、もしくは小沢さんを完全に頼りに出来る状況ではない鳩山さん(何だか最近は足利義昭と織田信長の関係に似ているようにも思います)としては、数少ない対抗勢力として頑張ってもらえる人を失いたくないので、必死に慰留しているような気がします。
さてこの問題は果たしてどんな決着を付けることになるのでしょうか・・・?

「水面下でのうごめき?」に11件のコメントがあります

  1. こんばんは!
    続報もありましたが慰留は結果的にポーズにしかならない気がする。
    いっそ小沢改革路線を(西松で有罪にならなければですが)総理として本人が遂行すればいい。
    魂のこもってない玉虫説明の現総理よりいいか?
    マニュフェスト修正撤回は理由によっては致し方ないやもしれないけど、説得力のある、何より真に迫った理由を訴えるべきです。最初の肝心な3ヶ月で事業仕訳以外に目立った改革の手がうてていない現状では、無党派層は痺れを切らしますな。

  2. 野田毅、藤井、腹心財務通のふたりでさえ、
    遠ざけてしまう小沢。
    政策が最も遠い、福島や菅でさえ
    権力維持のためには籠絡してしまう小沢。
    かつてのアメリカ、今の中国、韓国。
    国益ではなく膝を屈する外交。
    政治主導という美名で
    選挙目当ての予算を国民の意志と強弁。
    今や小沢に楯つくのは検察のみ。
    最も古い自民党的体質が残った民主党、
    とうとう小沢に乗っ取られるのか?

  3. 検察は天の声の見返りが4億円の原資と
    見ているかも?
    小沢と4億円についての検察リーク、
    一般紙が競って報道する過熱ぶり・・・
    天下分け目の戦いか?
    山岡国対委員長が小沢から最も多い
    対策費をもらっていた・・・
    民主党の中堅議員の声・・・
    参院選までもたないかも知れない

  4. ここ数日、渡部がテレビに出て、
    藤井が小沢に嫌われた理由をしゃべっている。
    参院選後に民主と提携、
    と公明党が言い始めた。
    小沢独裁体制が参院選挙後に確立。
    金も権力も、小沢。
    それに待ったをかけられるか検察。
    ゼネコンが献金の構図を
    すべて検察に話している。
    検察のリークとも噂されるが、
    各社とも独自の取材であり
    検察のリークはない、と言っている。
    検察OBの多くが、法手続き上、
    問題視していることも注目。
    小沢は慶應経済を卒業しているが
    日大大学院では法律を学び、
    司法試験を目指していた。
    少なくも法律上、抜け目はない。
    これだけ出てくると、
    もはや水面下とは言えないが・・・

  5. マスコミは小沢と検察、
    いずれの権力が怖いか。
    ニュースネタとしての価値が、
    もう一方にはある。
    なかなか水戸黄門のように
    悪い方がどっちか、わかりません。

  6. 文武両道さん
    コメントありがとうございます。
    小沢さんの不思議なところは子分を作りたがるのですが、仲間として誰一人長続きしない。岡田さんも新進党時代子飼いの議員さんでしたが、仲違いして民主党へ。羽田さん、(小渕さん)、野田さん、二階さん、渡部さん、藤井さん。これだけ錚々たる人材と一時期は肝胆相照らす間柄になりながら、仲違い。
    やはり育ちの良さから来る性格なのでしょうか。
    でも本当に勿体ない。
    大事を為す人間は、仲間を持つもの。今の仲間が山岡さんじゃ余りにも心許ないと思います。あの群れない小泉さんですら、竹中さんや奥田さん、宮内さんといった大事を託せる仲間がいたのに。
    このままでは、政治を動かしていける人材が本当に枯渇してしまいますね。
    自民党の最近の音沙汰無しには驚きます。この状態を見ていると、今まで自民党から発信されていた政策というのは、殆ど官僚の頭から出ていたのでは?と思うくらい、この状況下での提言が少ない。官僚悪論には反対です。彼らは彼らなりに国を想い、そして策を作っていた。始めは自民党はそれを良い意味で利用していたのでしょうが、最近の自民党は骨身まで官僚に頼り切っていたのかも知れませんね。
    実力とは実行出来る力とも言えると思います。小沢さんの今までの動きは決して好きではありませんが、これで小沢さんは倒れ、そして政治を動かす人間がいなくなって政治そのものが右往左往を繰り返す形にだけはなってほしくありませんね。

  7. 自民党の勉強会で証言した元秘書。
    参院選で候補漏れしたことが内部告発の理由?
    それにしても
    証拠隠しが事実であれば、
    検察には踏み込んでほしい。
    民主党内部では検察の捜査が中途半端に
    終わったとき小沢支配が絶対的なものになる、
    という危惧も生まれている。
    コンクリートから人へ
    脱ダム
    民主党がコンクリートとダムからの献金で
    政権を奪ったとしたら、
    何たる皮肉!

  8. さて党は小沢氏を切り捨てられるのか。
    棄てるか降ろしたとたんに党が分裂したりして。
    そう言えば日本新党もそんな末路でしたっけ?
    結局なーんにも変わらなかった、ってのは勘弁して欲しい。

  9. 秘書容疑者の弁護人が、
    あの悪名高き、麻原、光事件の弁護士。
    勝ち負けよりイメージが悪い。
    民主党は、これだけでも
    世論の攻撃を受ける。

  10. げんきさん
    コメントありがとうございます。
    さて、ご慧眼の通り藤井さん慰留は本当にポーズだけで、あっさり菅さんに変わりましたね。自分はこういった所に鳩山さんの弱さを感じてしまいます。自分が口説いて再登場させたからには、何が何でもという意志を持たないと。実務をするわけではないトップに必要なことは、まさに強い意志だと思いますから。
    その強い意志を民主党内で持ちうる数少ないその人は、今集中砲火を浴びていますね。今まで、どうしても敵を作りすぎているのでしょう。なんのかんの言ってもお父様の地盤を受け継いだ人ですから、細やかな気配りというものが・・・。
    そういう空気の今だからこそ、鳩山さんには毅然としていて欲しいのですが。

  11. 文武両道さん
    コメントありがとうございます。
    確かに選挙前には殆どなかったこの手の追求がそれこそハネムーン期間が終わった途端、集中砲火のようになされていますね。
    確かにこの手の矛盾を抱えられた2人が、そのことを非難して政権についた大いなるパラドクスがあるので、いつかこうなってしまいますね。
    それにしてもなんであのY弁護士なんでしょうか?目立つ事件にはよく顔を出していますが、結局戦術ミスが目立つような気がしますが・・・。

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