【多事争論】-参議院のあり方と政局


大きなタイトルを掲げてはみましたが、多分取るに足らないような内容になりそうな気が・・・。
来月に参議院選挙が行われます。参議院選挙は「国民の信を問う」とは違うと言われながら、結構政局に大きな影響を与えていると思います。特に80年代後半以降。
思い返してみても
第15回参議院議員通常選挙(投票日 1989年(平成元年)7月23日)

竹下政権下のリクルート問題や消費税、宇野総理の女性問題などが焦点になった選挙であり、野党である日本社会党は女性党首である土井たか子による活躍で46議席を獲得し、与野党逆転を収め「マドンナ旋風」と呼ばれるブームをまきおこした。土井たか子はこの選挙結果を「山が動いた」と表現した。敗れた自民党の橋本龍太郎幹事長は 「ちくしょー。」と思わず憤るほどの惨敗であった。

→ここで政局は大きく動き、海部総理の登場となりました。派閥の長じゃない軽量級の総理というのはこれが端緒だったように思います。その結果、実力者と権力者が違うという、責任の所在がわかりにくい90年以降の政治に繋がったのではないでしょうか。更にこの選挙の民意と言うことで言えば、「消費税No!」ということでしょうが、今から見れば暴論とも言える話し。この選挙の結果のプラス面として言えば、介護保険の舵がきられたということかもしれませんが、これもはっきりとそうだとは言いにくいと思います。
第18回参議院議員通常選挙(投票日 1998年(平成10年)7月12日)

# 自民党の敗因は、前年の国民負担増(消費税率引上げ等)、それに伴う景気の後退、失業率の上昇などとみられる。また、投票直前の橋本総理の減税に関する発言が二転三転したことも有権者の不信を招いた。
# 自民党は負けたとはいえ野党側の政権コンセプト・候補者ともに不足していた。社民党は政権に加わって社会党以来の方針を大きく変更したことで信頼を失ったことで批判票の受け皿にならず、結果として共産党が結党以来最多の当選者を出し自民批判票の大きな受け皿となった。
* 現有議席の大幅減を受け、橋本内閣は総辞職した。後継の小渕恵三内閣は、過半数割れした参議院対策に苦労し、連立を模索するようになる。
* 議席を獲得できなかった新党さきがけは「さきがけ」に改称、事実上の解散となった。同党はのちに「みどりの会議」に改称するが、当選者を出せないまま解散した。

→消費税を5%にした後の選挙。実は小泉内閣時の改革路線は、橋本内閣と同じ路線。もう少し言えば、より理想主義的なものだったように思えますが、テレビでの橋本総理の発言(サンデープロジェクト)が非難されるなど、テレビでの見え方がより重要となった選挙だったと言えるのではないでしょうか。ここでも内閣が替わるきっかけとなりました。

第19回参議院議員通常選挙(投票日 2001年(平成13年)7月29日)

第1次小泉内閣発足後初の国政選挙となった。また、比例代表区が従来の党名による投票(厳正拘束名簿式)から、党名、比例候補者名のいずれでも投票できる、非拘束名簿式に代わった。
自民党は小泉純一郎総裁が高い人気を得ており、64議席と復調。比例区では20議席を獲得した。しかし、選挙区では前回参院選で2人擁立しての共倒れが続出したことに加え、第2次森内閣 (中央省庁再編)末期の不人気から候補者を絞っていたため、東京都選挙区、千葉県選挙区、神奈川県選挙区では、1人で2人分以上の票数を記録する結果になった。
公明党は選挙区、比例区とも手堅く現有を維持し、13議席を得た。保守党は0議席も予想されたが、比例区で扇千景党首への個人票に助けられ、1議席を死守した。
民主党は現有を上回る26議席を得たが、自民党が候補者を絞ったことに助けられた部分もあり、比例区では公明党と並ぶ8議席に留まった。
前回躍進した共産党は5議席と1/3に激減、9年前の水準に戻った。自由党は岩手県選挙区の他、新潟県選挙区でも議席獲得に成功し、比例をあわせ6議席を得た。社民党は選挙区で全滅し、比例区の3議席のみとなった。
その他、比例に候補を立てた確認団体は、自由連合、第二院クラブ、女性党、新党・自由と希望、新社会党、無所属の会、維新政党・新風があったが、いずれも議席を得られなかった。
比例区は非拘束名簿式になったことで、個人票狙いのタレント候補の擁立など、全国区時代への回帰も見られた。しかし、結果は自民党の舛添要一が得た1,588,862票が最高で、団体の組織候補を含め、個人票の割合は概して低かった。また、自由連合は大量のタレント候補を擁立して注目されたが、結局0議席に終わった。

→これは逆に選挙の勝利を目指して自民党が選挙前に総裁を替え、大成功した選挙。それと共に全国区時代のタレント頼りが復活した選挙とも言えましょう。
第21回参議院議員通常選挙(投票日 2007年(平成19年)7月29日)

郵政造反組復党問題や年金問題、相次ぐ閣僚の不祥事等が重なったことを主要因として、自由民主党の獲得議席数は37議席と第15回参議院議員通常選挙(1989年)以来の歴史的大敗を喫し、1955年結党以来初めて他党に参議院第一党の座を譲った。改選議席数の確保を目指していた公明党は神奈川県・埼玉県・愛知県の各選挙区で現職議員が落選[1]、比例でも票が伸びず議席を減らした。
一方、野党第1党の民主党は追い風を受け60議席を獲得し、参議院で第一党となった。自民・民主の二大政党の争いに埋没した共産・社民両党は苦戦し、議席を減らした。国民新党は現有議席数を維持し、新党日本は1議席を確保した。非改選議席と合計すると137議席となり、野党は参議院における安定多数を確保した。
与党の自民党・公明党の議席数を併せても過半数はおろか民主党の議席にも及ばず、与党は参議院の過半数を獲得できない状況での政権運営を強いられることとなった。参院選を受けて自民党内で安倍首相退陣の動き(安倍おろし)が起こり、安倍は続投を宣言したものの、9月12日に退陣を表明した。
参議院議長・議院運営委員長などの参議院主要ポストを野党が担当したことで、与党側は、衆議院において多数を得ている状況にあっても、参議院を中心とした議会運営の主導権を野党に握られることとなった(ねじれ国会)。
 * 与党が反対している野党提出法案を参議院で先議・可決し、衆議院へ送付した例
 年金保険料流用禁止法案
* 衆議院議決法案の60日間放置などによる審議の遅延・会期切れによる法案の廃案
* 野党主導による与党参議院議員への登院停止などの懲罰決議案・首相や閣僚などへの問責決議案・与党常任委員長への解任決議案・与党参議院議員への議員辞職勧告決議案の可決
* 野党主導の国政調査権発動や証人喚問
(ただし、出席拒否や偽証罪に関する議院証言法違反の告発は三分の二以上の賛成が必要なため、野党単独ではできず、与党が賛成か棄権をする必要がある)
前防衛事務次官守屋武昌の証人喚問。
* 日本銀行政策委員・会計検査院検査官・人事院人事官などの国会同意人事案件での不同意
同意人事案件については3つの役職について参議院で不同意となった。

→日本の政治が著しく停滞しましたね。未だに日銀の副総裁は一人少ないです。
こう振り返ってみると、この参議院選挙の結果というのが日本の国政になんだか変な影響を与えてしまっていることに驚きます。政策の遂行と言うよりは、政策の停滞を招くことが多い結果だからです。
自分が思うに、この原因は衆議院の優越が限定的で、予算、条約、首相指名以外は衆議院の2/3が無いと何も決められない仕組みから来るものと思います。理想的には衆議院と参議院の議員の選び方を変えて、法案決定機能を複層的にするか、それぞれの権限をもっと明確に、例えば条約や国防に関することなら参議院で予算なら衆議院とかにわけることが一番いいと思います。
とは言え、それは憲法改正にもつながる大変な事。
であれば、せめて3年毎に半数を改選するのではなく、6年で一遍に替えて欲しいと思うのです。衆議院の選挙の他に、3年に1回国政選挙があると言うことは、殆ど毎年国政選挙が行われていること。これでは、よほど強力な与党1党体制で無い限り、ポピュリズムに政治が走らざるを得ず、その結果今ある国としての課題に対して、国会が有効に機能しないことを意味すると思うのです。であれば、3年毎に選挙とするのではなく、6年に1回にすれば選挙目当てに動くことも多少は少なくなり、少なくとも国政レベルではもうちょっと落ち着くのではないでしょうか。
今は議員の定数削減は話題に上るものの、参議院のあり方について話が出てくることは少ないです。が、ここ20年の政治機能不全は、自分は参議院制度によるところ大だと感じています。であれば、まずは国会と参議院のあり方についてみんなもっと真剣に考えるべきなのでは?と考えています。立法府における今の意思決定システム、どれくらいの方々が今の制度がいいと思っているのでしょうか?


“【多事争論】-参議院のあり方と政局” への11件のフィードバック

  1. > せめて3年毎に半数を改選するのではなく、6年で一遍に替えて欲しいと思うのです。
    実はこれも憲法改正が必要になっちゃうんですよね。
    また、衆参同時選挙になった場合にも、参議院の半数は改選なしで残るので、
    緊急事態の時に参院の緊急集会を確実に開くことができるという保険にも
    なっているわけです。
    それから、もうひとつ。
    急激な政治的変化が避けられるというのも、実は参院の存在意義としてしばしば
    挙げられる点です。
    仮に「山が動いた」としてもその影響は半数だけ、というわけですね。
    小回りが利いて、指導者のリーダーシップが効率的に発揮できる環境というのは、
    裏目に出れば、独裁への最短ルートにもなり得てしまいます。
    「民主制は最悪の制度だ、これまでこの世に存在した他の制度を除けば」というのは、
    恐らくはこの辺りの機微を表しているのではないでしょうか。

  2. 半年ばかり前から楽しく拝読させていただいている、ポポさんの愛読者のひとりです。初めて投稿させていただきます。このネタの奥は深いと思います。藤原正彦氏が文芸春秋七月号に興味深い持論を展開されていますが、もうお読みになりましたか?私は31歳になる独身の息子にこれを読ませようと思っています。ところで、高校野球ネタもそろそろ宜しくお願いいたします。

  3. 学生時代に藤原正彦先生に習った身としては、文藝春秋7月号を買わなくては!
    ここ数日は、ホームラン、アマチュア野球、報知高校野球など野球雑誌を買ってかなりの出費。
    雑誌の予想はあまり当てにならないというのを、5月に買ったサッカーワールドカップ関連雑誌を読んでいて感じます。

  4. 議会がとうのこうのは、なかなか。
    仕事柄、公正なる選挙ということで、期間中は最重要事項になります。
    ただ、いつも思っているのは、お金が掛からない選挙として導入されたこれ
    http://senkyo-navi.net/18/24/000045.html
    政党交付金とともに税金が…。なんだろうなと思いつつ毎回。
    そういえば、今回は野球界からも 江本・石井・中畑。堀内 各氏が立候補予定とか
    あと、少人数しかいないのに、振り回す政党はもう(世間的に、組織票がどうのって言われてますが、個人的感想でいえば。。。 当選者Oになればと密かに期待!?)

  5. あごらさん
    コメントありがとうございます。
    多事争論とうたっているだけに、返信をしないわけにはいけません[E:sweat01]
    確かによくよく考えてみたら、選び方こそ法律で決められますが、3年に半数ずつは日本国憲法第46条にしっかり書いてありますね。ちゃんと確認しないといけないですね・・・。ご指摘ありがとうございます!
    独裁と民主制、確かにどちらにも一長一短ありますね。しかしながら「民主制は最悪の制度だ、これまでこの世に存在した他の制度を除けば」と喝破したウィンストン・チャーチルの国イギリスでは、基本的に短期間の政権は無いですよね。これはどのような仕組みの結果そうなっているのでしょうか?今度時間があったら調べてみようと思います。
    急激な体制変換がされないのは国民生活の安定という観点からもいいと思うのですが、政策が遂行されない状態になるのはどうかなと思っています。「我いまだ巧遅を知らず。兵は拙速を尊ぶ。」みたいな言葉が孫子にありましたが、実際の会社の運営でもそう感じる事は多々あります。それにしてもこれだけ金融が大変な時期なのに、なぜ未だに日銀の副総裁は一人足りないのでしょうか?本当に不思議で不思議でなりません。
    もっとも「責任ある独裁」を掲げたかのヒトラーは民主的に選ばれてしまった独裁者でした。確かに、そういった機微を制度の中に保持しておく事も大事ですね。
    なので、やっぱり英国の制度がどうなっているんだろうと興味が湧いてきました[E:confident]

  6. kktfさん
    お初のコメントですよね!ようこそいらっしゃいました。常々、ポポさんのブログでコメントを拝見しており、いつも心温かく素晴らしい内容だったので、拙ブログにお越しいただき光栄です。
    さて、藤原正彦さんのは「日本国民に告ぐ」ですよね。1回流し読みで読ませて頂きました。ハンチントンの「文明の衝突」とかも含まれていて興味深く読ませて頂きました。そう言えば朝鮮日報のコラムに天安沈没事件に関連して、
    「一国の外交や安全保障に関し、ひとたび相手に弱みを見せてしまえば、後にその代償を支払わざるを得なくなる。相手がその弱点を知ってしまった以上、これからも挑発を続けることだろう。そうした意味で、「天安」沈没事件がもたらす本当の危機は、これから始まるといえる。」
    という文章がありました。まさに逆の事をかの国が日本にやっているのではないでしょうか。
    高校野球ネタも機会を見つけて頑張ります[E:coldsweats01]

  7. フレフレ少女さん
    コメントありがとうございます。
    今の世の中は雑誌に限らず情報に溢れていますから、その情報の取捨選択をする能力が必要とされているのでしょうね。自分の学生時代は「情報処理」と言えばコンピューターの授業でしたが、本当の意味での「情報処理」という科目があってもいいのでしょうね。
    それにしてもこれから暫く関連本の購入で財布が・・・[E:coldsweats01]

  8. 黄色と黒は勇気のしるし♪さん
    コメントありがとうございます。
    そうなんですか!確かに特定郵便局長にとってのメリットはわかるのですが、実際に実務をされる方々にとってどんなメリットが?とか思ってしまいますね。ある用事で郵便局内に入った時、ノルマの垂れ幕が壁にのべつまくなしに貼っていて、「あ~、こりゃあ大変なんだなあ、郵便局の方も。」なんて思ったんです。少なくとも都市部では、配達員が独り身のおばあちゃんのところに行ってお茶飲んで、貯金を預かるなんて芸当は出来ませんよね。(大体、職務規程違反ですね[E:sweat01])
    私は少なくとも前総理の就任直後、某党首が「自分は常任理事国で、拒否権を持っている」と発言した時、それこそ罷免すべきだったと思っています。それこそ総理の権威を認めていないわけで、そりゃあ内閣もあんな風になりますよね・・・。

  9. 自己レスです。
    ああ、こんな時間になってしまいました・・・[E:coldsweats02]
    さっさと帰らねば[E:run]

  10. 昼のNHKニュースは参議院選挙公示から。
    各党党首演説に続いて選挙区の状況。
    その一番最初が秋田でその一番最初に登場したのが石井浩郎氏。
    思ったよりオジサンぽくなっていないと思いました。
    早稲田で大飛球飛ばしていたのが思い起こされます。
    政見を聞いてみたいものです。

  11. 今日のあの日記?の更新をみて、ここを思い出しました[E:flair]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です