崖っぷちでの練習

前に「崖っぷち」と題して記事にした、この時期恒例のピアノの発表会。
それに向けて、少なくとも2週間くらい前からは割と一生懸命に練習するようになりました。まだまだ発表会レベルには到達していないのですが、こうやって練習していると、不思議とスポーツに通じるような事を感じるものなんだなあと改めて思っている次第です。
殆どの方にとっては、何のことだかわからない内容になるかもしれませんが、一応そんな時に感じたことの備忘録として。まあ私的なブログなので、ああまた何かよくわからんことを書いていているよとスルーしていただければ[E:coldsweats01]
今回演奏する曲は前にも書きましたが、ラフマニノフの前奏曲「鐘」という曲。
この曲は最初静かに始まります。自分が思うにきっとしんしんと降り積もる雪のモスクワ(?)辺りでの静かに教会が佇んでいるイメージなのでしょう。少々印象的なフレーズが入りますが、同じモチーフが続きます。そこから中間部に移り、少々違った鐘の音色と響き、テンポも早くなりきれいな叙情性から、段々と追い込まれていくような執拗な繰り返しがあり、緊張がどんどん高まり、最初はpppだった曲もffになり、fffへと移り、そして最初のモチーフがsfffで再登場します。
その後はテンションが高いまま続きfffからsffff(なんじゃ、そりゃ!)まで高められます。そして高めきった後、mfになり、最後はpppで締めるという形ですので、色々な心の動きを反映した様々な鐘の音を模したとも言える曲なのかなあなんて思っていました。
そういった曲の流れの中で自分なりに大事だと思うことが2つあります。
1つ目は低音部、すなわち左手のパートが鐘の音を模しているような感じがするのですが、この音の強さが求められるところが結構多い。それも左手で弾く音数が少ない(これはアレンジのせいもあるでしょうが)ので、より強く弾かなくてはいけない。つまり鐘の大きな響きを表しているんでしょうね。これが強くないと曲が締まらない。でもって1オクターブ分、つまり例えば低いドと高いドを一緒に出す部分もあるので、ピアノを始める時に最初に懸念した指の短さが、結構困ったりしていました。
2つ目は右手のパートは逆に軽やかにテンポ早く弾く部分が特に中間部では多く出てきます。これはきっと様々な鐘の音の重なりを印象的にするのでしょうが、それゆえに指が早く回らないといけません。これで何度自分のスピードがついていかなくなったことか。曲調に合わせて自分がどんどん気が急いてくるんです。
そう考えてみると、共にピアノを弾く上での基礎の練習をやってこなかったことに気付かされます。一音一音しっかりと弾くこと、音の強弱を安定して出すこと、そうする上でのフォームなどです。自分でやるべきことがわかってくると、それを形作る自分に備わった基礎の技術の大事さを思い知らされるものですね。野球でも、結局のところキャッチボールで相手の胸元に強い球をしっかりと投げ、捕る方は身体の前でしっかりと捕るといったことや、ペッパーでしっかりと同じところに打ち返すことが出来ることが大事だと言いますから、物事の本質って結局どんな分野でも変わらないのでしょうね。
まあそんな感じで練習し続けていることもあり、特に右手が結構パンパンに張ってきています。ちょっと、「もうそろそろコンディションを整えた方がいいかな・・・」と思ったりもしますが、そんな時、あるブログのこんな言葉を思い出しました。

いよいよ優勝をかけた慶早戦が明日に迫ってきました。決戦前日の練習も調整ではなく成長することができました。今季リーグ戦の試合前日練習は一度も調整練習に充てたことはありませんでした。自分たちは調整してうまくいくほどの力を持っているわけでもなく、このままの力では優勝に食い込めるレベルではないと自覚していたからです。そうやってどんなときも自分たちにムチを打ち続けてきた結果が、逆境に強い粘り強いチームにつながったと思います。(From 慶大野球部ブログ2010 9時開場13時開演

そうだそうだ、調整してうまくいくほどの力を持っているわけでもなく、日々成長していかなくてはいけないのだから、もっともっと練習せねば。まさにPractice makes perfectですよね。
また、練習中でもよくsffffを出そうとして指が滑ってみたり、いい流れで曲が進んでいると、この次をうまく弾ければかなりいいかも?なんて思ったりして邪念が入り、その後の小節をよく失敗したりしています。そんな時に前に拙ブログでも書いた話ですが、バンクーバーオリンピックでのフリーの演技の後語っていた浅田真央選手の言葉を思い出します。

「前半、自分がパーフェクトにこなせていることを自覚していた。そして、3回転、2回転、2回転のジャンプに差し掛かったときに、『このジャンプを成功すれば9点も得点がもぎ取れる』と思ってしまった。ここで集中が切れてしまったと思う。」

やはりplay(敢えて横文字です[E:sweat01])している時は、そのとるべき行動に思いを致すべきで、その結果を意識すると集中が切れてしまうんでしょうね。とにかく演奏に没頭し続けたいものです。
いやあ、ピアノの練習をしていると、やたらスポーツに通じることを感じるんですよね。もしかしてピアノにしてもそうだし、そもそも音楽ってスポーツの一つ(反対かも?)なんでしょうか?
さて、練習をしなければ。でもって明日(実際は今日?)は午前8時30分から地鎮祭。さて、3日後に私は笑っていられるのでしょうか・・・?

「崖っぷちでの練習」に5件のコメントがあります

  1. 独奏の場合、音の強弱は絶対的な音量ではなく、
    前後左右の音との相対的な関係で表現すればよいので、
    (合奏の場合はある程度は物理的な音量が要求されますが)
    配分に工夫をすれば、指への負担を減らすことは
    可能な気がします。
    普段あまり使わない指の筋肉をいきなり酷使すると、
    ピキーン!と来ることがあります。
    腱鞘炎にもくれぐれもご注意を…
    トイトイトイ!

  2. 先週、ピアノの関してはこんな話題もありましたね
    http://sankei.jp.msn.com/life/trend/101120/trd1011201607006-n1.htm
    意外に崖っぷちに立たされた時ほど力を発揮するものですよ。
    野球も2アウトからって言いますし。
    それより、今日は1122であの日です。趣味も大切ですが、奥様(旦那様)も大切に♪
    ※1123も23をふ○いと読んで…あの日みたいですがね(汗)
     2を(ファ)3を(ミ)と読ませて、いいファミリーの日でもありますが。
    ちなみに、今日は大工の日でもあるのですね。

  3. あごらさん
    コメントありがとうございます。
    こちらでいただいたアドバイス、本当に助かりました。
    「独奏の場合、音の強弱は絶対的な音量ではなく、前後左右の音との相対的な関係で表現すればよい」
    本当にそうですよね。
    トイトイトイのかけ声も勉強になりました。
    いつもいろいろとどうもありがとうございます[E:happy01]

  4. 黄色と黒は勇気のしるし♪さん
    コメントありがとうございます。
    大工さんの日、初めて知りました。
    しかも聖徳太子に関係する日だったんですね。いやあ、黄色と黒は勇気のしるし♪さんは本当に博学ですよね。
    アマゾン、いろいろなものを扱っていますね。自分も愛用しています。いつかそんな楽譜も弾けるようになればいいのですが[E:coldsweats01]

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