習近平の固い表情から感じたこと

今日、久しぶりに日中首脳会談が北京で行われました。
なんと言っても印象的だったのは、各ニュースでも取り上げられている習近平主席の固い表情と対応です。

安倍総理のあいさつに“無表情・無言”の習主席(ANN)
 出迎えた際の習主席の固い表情は、結局、日中関係の改善が中国側にとって大きなリスクがあるということを物語っています。今回、出迎えの際にはカメラが入りましたが、会談自体の撮影は許可されませんでした。できる限り2人が会う映像は出したくないという中国側の思惑も透けて見えます。背景には、安倍総理が中国敵視の政策を取っているという「強い不信感」があるためです。会談で習主席は、安倍総理の歴史認識を巡り、「中国13億人の国民感情の問題だ」と強調するなど、これまでもメディアを使って安倍政権への警戒心をあおる報道を繰り返し続けています。今回、手のひらを返すように笑顔で握手することは、これまで国内向けにしてきた世論操作とは大きな矛盾が生じてしまうわけです。また、仮に今後、安倍総理に「はしごを外された」場合、責任が習主席に跳ね返ってくる点を強く恐れていることもあります。今後、日中関係は雪解けムードに向かっていくのか。両首脳の思いには、なお温度差があります。

日中首脳会談 習国家主席が見せた「笑顔なき握手」めぐり波紋(FNN)
フジテレビ外信部の風間 晋編集委員は、「習近平国家主席は、中国国内に『反対論』、『慎重論』がある中で、政治的リスクを取って、この日中首脳会談に踏み切りました。その経緯を考えると、『笑顔でサービス』というわけにはいきません。『これは第1歩であり、今後も日中関係改善のために努力をしていく』という習主席の発言は、大きな転換点です。その重みが、習主席の表情や振る舞いに表れたと思います」と話した。

私は上記のことももっともだと思いますが、より感じたのは習近平主席の落ち着かない、怖れのような表情でした。目が一点を見ること無く、焦点が虚ろだったからです。
習氏は今対談しようとしている安倍首相に対してと言うよりは、カメラの向こう側にある国民であったり軍部であったりをひどく意識しているように感じたのです。
今、中国の国民はアンバランスながらも経済的にぐんぐん発展していき、それに伴い知的レベルも向上し、政治的意識も高まっているように感じます。一党独裁に疑義を唱える知識人、民族意識の高まりから社会不安を起こしている新疆ウイグル地区、一国二制度の欺瞞を糾弾する香港の民主化運動。今までの長い中国の歴史で、これほど一人一人の国民の知的能力が強くなった時代は無いと思います。
そういった中、選挙で選ばれたわけでも、内戦の戦闘で勝ち抜いた訳でも無く、強圧的な政治体制の絶対権力者の地位に立った習氏。今までの報道では、習氏が強権的な志向の持ち主かと思っていましたが、今日の表情を見ていると、寧ろ自らが統治している筈の国民(向こうでは人民なんでしょうけど)がいつ自分に牙を剥いてくるのか、恐れながらの政治行動のように感じたのです。
であれば、今まで習氏が行ってきた、腐敗撲滅や日本・南シナ海に対する強硬的な姿勢も合点がいきます。彼は共産党一党独裁の中国政権において、自分の正統性が薄いことを理解しており、その権力の死守に大変な脅威を感じている。そのため、必然的にポピュリスト的政策を採っている。そんな風に感じました。
これはなかなか難しい現象です。本人の意思によるものであれば、妥協も強調も可能ですが、目に見えない世論の力というのは、硬直的な政策しか採れないからです。周恩来が採ったような政策は難しいでしょう。
であれば、地道ではありますが、中国の人をどんどん日本に招き、日本の良さを感じて貰う。遠回りではありますが、国民意識の問題ですから、下記のような体験をどんどんしてもらうしか無いと思うのです。
日本で暮らす中国人が「日本にとどまる理由」を告白=「目で耳で感じたもの、それがすべて」(From Record China)
習近平主席、苦労しているんですね。あの表情・対応からはそう感じました。決して強気な人の取る行動ではなかったように思います。

「習近平の固い表情から感じたこと」に1件のコメントがあります

  1. 娘の英国留学時代の韓国人の友人は娘とともに日本の大学院に学び
    日本で就職した、日本が好きで日本人が好きだという。
    日本に来る中国人、韓国人で日本が嫌いと言う人は多くないし
    彼らは政治の話を嫌がる。
    安倍さんも日本が好きな中国人や韓国人が困るようなことはやめたら
    どうでしょうか。
    日本史必修や道徳教育の充実は、戦前回帰を思わせる?

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