太平洋への航路、今度は直接台湾へ

以前の記事でも書いたことがありますが、中国政府の国防政策として、かなり重要度が高いものが第一列島線、第二列島線の突破による、太平洋での自由な活動を通じて、如何なる国に対しても戦略的なアドバンテージを握ろうとするもだと思います。

2010年には尖閣諸島に威力偵察的なことを行い、アメリカには「第二次世界大戦の戦勝国同士」「新しい二つの大国関係」というロジックまで持ち出してまして第二列島線の突破を図りましたが、結果、米国をして「日米安保の対象に尖閣諸島が入る」と寧ろ今までより状況が後退する結果となりました。

2014年頃からは南沙諸島にも積極的に手を伸ばし、人工島の建設などを行いましたが、結果20年振りくらいのフィリピン米軍駐留や、ベトナムに他国の艦船寄港など、これまた状況は中国政府の思惑通りには進みませんでした。

そして、新しい展開として、総統選挙の結果も踏まえて、伝統的な主張である「一つの中国」をひっさげ、台湾に直接圧力を加える方向に展開しそうです。当初から中国政府が主張している通りに台湾が中国政府の版図に入れば、太平洋への道は拓けます。

今までのやり方と違い、世界各国がすでに同意している「一つの中国」の原則に則った作戦だけになかなか対処が難しい問題に感じます。しかしながら、日本やアメリカの国防政策を考えるならば、対処をどのようにしていくか思案のしどころですね。

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