H22東京六大学野球秋季リーグ戦 慶早戦優勝決定戦


神宮球場が満員札止めで、入れなかった人もいたと言う、今となっては伝説と言っていいかもしれない慶早両校による、優勝決定戦。

来週の日曜日の午後にこの試合がNHKのEテレで放送されると聞き、自分の観戦記でも振り返ってみるかと思ったら、記事を書いていなかったというまさかの展開。余りにも印象的過ぎて、書けなかったんですね。

ならば!ということで、10年前の試合になりますが、観戦記を書いてみましょう。

平成22年度の春季は湯山主将率いる塾野球部が江藤新監督の下、久しぶりの優勝を飾りました。秋季は一進一退の攻防が続く中、斎藤佑樹主将率いる早稲田大野球部が一歩抜け出し、最終週の慶早戦で1回でも勝てば早稲田優勝。塾野球部が連勝すれば、50年ぶりの優勝決定戦。

この崖っぷちで土曜日の試合が中止となった後の10/31(日)、11/1(月)の2日間、塾野球部が連勝します。
慶早戦1回戦 K2-0W http://www.big6.gr.jp/game/league/2010a/2010a_wk1.html
慶早戦2回戦 K7-1W http://www.big6.gr.jp/game/league/2010a/2010a_wk2.html

連盟も粋な計らいをしてくれて、翌日の平日にするのではなく、11/3(水・祝)を優勝決定戦としました。


両校の先発は塾野球部がこの年から塾野球部を引っ張ってくれていた2年生の竹内大助君(今の助監督です)、早稲田は入学当初から大きな話題を呼んでいた主将でもあった斎藤佑樹君(現北海道日本ハムファイターズ)です。

異様な興奮の中、試合が始まります。

先行は早稲田。先頭の土生君が初球をいきなりセンター前に弾き返し無死1塁。直近2試合では塾野球部がいずれも初回に先制し、主導権を握って試合を進めていましたから、思うところもあったのでしょう。

続く2番市丸君、初球バントの構えをしながら見送り、2球目にバント偽装からのヒットエンドラン!見事に決まり無死13塁といきなりピンチを迎えます。

ここで力みそうな場面ですが、3番宇高君がバットをうまく合わせてレフトへ犠牲フライ。早々に早稲田が先制します。K -1W。

続く4番山田君がカウント2-2からまたしてもヒットエンドランを仕掛け、ライト前ヒットと見事に決まり、1死13塁とまたもやピンチ。

ここでたまわず江藤監督がマウンドに来ます。こういった時の1塁側スタンドからくる声やら曲はとても嫌な感じです😅

この時の早稲田はこういった時にコツコツくる印象でした。続く地引君がボテボテのセカンドゴロでゲッツーも本塁送球も出来ずK -2W。

更に2死2塁で、続く杉山君のセンターに抜けようとする打球を渕上君が好捕するにもかかわらず、一瞬の隙をついた山田君が一挙本塁突入でK -3Wと早稲田が一方的に試合を進めます。

更に内野安打で2死12塁となった後、8番松本君の打球はライトへ。

これをライト3年生の伊藤隼太君が本塁へ好返球!見事本塁で刺し、長い1回の表が終わりました。

この好返球でムードを変えられるのではと期待しましたが、斎藤佑樹君はこういった大舞台で力を発揮するタイプ。初戦でも好投していましたが、この日は手を付けられるず、ヒットすら全く許してくれません。

2回、3回と何とか早稲田打線を抑えた竹内大助君に早々に代打を出し、4回からは4年生の田中君。

4回も何とか抑えたものの、5回に2死2塁となったところで、江藤監督はこのシーズンのもう1本の柱、2年生の福谷君をマウンドに送ります。

最初の松本君をショートゴロに打ち取った・・・はずが名手4年生渕上君がエラー。

次の打者は斎藤佑樹君。雰囲気に入り込めておらず3日前にも救援登板、2日前には完投もしていて疲労の残る福谷君を揺さぶるためか、またもやエンドランを仕掛けます。

この時はファウルとなりましたが、これに対して福谷君が1塁ランナーにナーバスになります。2アウトなのですが。

そして打者への集中が若干削がれていたところを斎藤佑樹君は見逃さず(この頃の彼は小憎らしいほど相手の心理を読んでいる印象でした)レフト前にタイムリーヒットを打たれてしまい、K0-4Wとリードを広げられてしまいます。点差をこれ以上離さないために早めに福谷君を投入したのですが、逆の結果となってしまいました。

更に次の6回表も無死満塁から杉山君に左中間2塁打を打たれ、k0-6Wと点差がどんどん開いていきます。

天を仰ぐ福谷君。

7回からは山形君。しかし、彼も宇高君にタイムリーを打たれK0-7Wと一方的な展開に。

こういった時に聞こえてくる「紺碧の空」はとても嫌いです😅

8回からはベンチ入り最後の投手である金子君をマウンドに。ベンチに控え投手は誰もいなくなります。

8回表は金子君が好投を見せ無失点に抑えます。

球場は斎藤佑樹君がこの劇的な試合で、ノーヒットノーランの偉業を達成するのではないかと異様な期待感も出てくる中、8回の裏の攻撃が始まります。

先頭の宮本真君がサードゴロエラーで出塁します。

続く山口君のサードゴロで2死2塁。次の打者松本君。1塁線近くのファウルグランドにフライを打ち上げてしまうのですが、まさかの落球。斎藤佑樹君も苦笑いしたのですが、その後にこの試合塾野球部初ヒットが生まれ、センター前に打球が飛びます。1死13塁。

代走に新谷君が送られます。5年前の春の甲子園を思い出しました。

戻ってきた松本君を祝福するベンチ。光景を怪訝そうに斎藤佑樹君が見ていたのも印象的でした。

続く奥橋君がライト前ヒットで待望の1点目。

新谷君が好走で3塁へ。なおも1死13塁。

渕上君もレフト前にヒットを放ち、K2-7W。奥橋君が気合いの好走で3塁へ。渕上君も好判断で2塁へ到達し、なおも1死23塁。

続く主将の湯本君もセンター前ヒットでK3-7W。尚も1死13塁。

次の打者は投手の金子君。せっかくの追い上げムード。しかしベンチに投手はいない。金子君はバッターボックスに。初球は見送った後、2球目にスクイズを仕掛けますが、こういう気配を感じ取るのがこの時の斎藤佑樹君。低めにワンバウンドする変化球(多分スライダー)を投じ空振り!三本間に渕上君が挟まれタッチアウトで2死2塁。。

ここで腹を括った江藤監督。代打に3年生の伊場君を送ります。

気持ちのこもった伊場君の姿には心を動かされます。懸命にボールに食らい付き、かなり粘ります。

そして死球。気持ちで勝ち取った死球だったのでしょう。2死12塁とチャンスを広げます。

涼しい顔して、相手の心理を読んで、塾野球部の打線を抑え込んできた斎藤佑樹君にも心の揺らぎが生じます。

そして3番伊藤隼太君がセンター方向に大飛球を放ちます。打球はセンターの頭上を越え、フェンス直撃!

伊場君も激走!

激走し、3塁に到達した伊藤隼太君も、3塁コーチの田村陽太郎君とがっちり手を組みます。

これでk5-7Wと、ホームランが出れば同点というところまで来ます。たまらず早稲田は斎藤佑樹君から大石君にスイッチ。松尾君が三振に倒れ追い上げもここまで。

9回表は投手がいなくなった塾野球部は正木君を投手に、伊場君を捕手にしてなんとか凌ごうとしますが、決定的な3点を奪われます。

9回裏は大石君に完璧に抑え込まれ試合終了。K5-10Wで早稲田大学が勝利を収め、このシーズンの優勝を決めました。

称え合う両校の選手たち。こういったシーンはすがすがしいですね。勝った早稲田大の野球部にも、負けた塾野球部にも笑顔があります。

この試合のスコアです。

表彰式前の時の塾野球部の江藤監督と早稲田大野球部の應武監督。こういった姿も素晴らしいですね。竹内助監督のお姿も。

球音が一日も早く神宮球場始め、多くの球場に戻ってきます様に・・・。


「H22東京六大学野球秋季リーグ戦 慶早戦優勝決定戦」に2件のコメントがあります

  1. 正木君の登板には驚きました。(笑)
    たまたま、近くにいた、主務の方に、「正木君、投球練習してたの?」と尋ねたところ、「僕が知る限り、一回もありませ~ん!」と明るく答えてくれました。(苦笑)
    追い上げてきたところでしたので残念でした。江藤さんらしいですかね。。。。(笑)

    1. 登板もそうですが、スクイズ失敗の後の代打ですね。おお!投手がいないのに代打!!という驚きと、江藤監督の並々ならぬ顔を見て、「本気だ!」と思いました。目の前に早稲田が立ちはだかる中、万に一つでも勝つ可能性を見いだせるのならそれに賭ける。これぞ慶早戦だなと思いました。その後の「投手の数を間違えた」「ブルペンで投げさせ過ぎた」という、人を食ったようなコメントも含め、お二人の勝負師ぶりと、緊急登板させた正木君への大人の配慮を改めて感じました。残念な試合ではありますが、とても素晴らしい試合だったなと書きながら改めて思いました☺️

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