THE FOG OF WAR

HPを作成していましたが、更新にかまけすぎたのでもっと楽に行こうということでブログです。
さて、早速ですが昨日東京では1日限定上映らしい「THE FOG OF WAR」を見に六本木ヒルズに行きました。
内容はケネディ・ジョンソン両大統領時の国防長官だったマクナマラ氏のインタビューを元にしたドキュメンタリーです。
この人は恐ろしく秀才で若くしてハーバードの助教授になり、太平洋戦争中は日本爆撃を指揮したルメイ氏の部下として統計的手法から低高度焼夷弾爆撃をルメイ氏が編み出すきっかけを作り、戦後はフォード社の社長になり、ケネディに請われ国防長官にと、絵に描いたような人生でした。
でもって導き出している答えは
敵の身になって考えよ
理性には頼れない
自己を超えた何かのために
効率を最大限に高めよ
戦争にも目的と手段の釣り合いが必要だ
データを集めよ
目に見えた事実が真実とは限らない
理由付けを再検証せよ
人は善をなさんとして悪をなす
”決して”と決して言うな
人間の本質は変えられない
ということです。自分なりに解釈すると
1.人間は完全ではない
2.どの人間もそんなに違わない
3.善と悪という価値観ではなく、効率的・合理的な判断が必要
ということでしょうか。(意訳しすぎ?)
とにかくこれを話している人が実際にそれを体験し、実行してきた人だけに重みが違います。当時、確かに彼らは世界の命運を握っていました。そういった人たちも超人ではなく凡人であり、その中で懸命に努力していった様に惹かれるものがありました。ドキュメンタリーとしてもなるべく色を付けないようにしているところが好感が持てます。
あと印象に残った部分が「(太平洋戦争時)戦争で勝つためなら一晩で十万人の市民を殺していいのか?日本を焼き、原爆まで落とす必要があったのか?ルメイも私も戦争犯罪を行ったのだ。もし負ければだ。でも、勝てば許されるのか?」という下り。戦争の本質だと思います。第二次世界大戦中、日本とドイツだけが戦争犯罪を行ったわけではありません。戦争に参加している以上どこの国だろうと戦争犯罪は起こしていると思います。だからこそ、戦争を引き起こさないために善隣外交と戦力のバランス維持をはかる努力がどこの国にも求められているのだと思いました。

「THE FOG OF WAR」に2件のコメントがあります

  1. 目に見えた事実が真実とは限らない
    理由付けを再検証せよ
    人は善をなさんとして悪をなす
    ”決して”と決して言うな
    荒れた掲示板と第三帝国に付記するとすれば・・・・

  2. 文武両道さん
    マクナマラさんの言っていることは、どちらかと言うと西洋より、東洋的な気がします。
    すなわち絶対的価値ではなく相対的価値。
    自分の判断を客観的、正義、絶対と見るのではなく、常に一歩引いて鳥瞰して見ることが大事と言っているのでしょう。
    エリート街道をまっしぐらに進んでいた彼が、そういう境地に至ったというところに、人生の妙を感じます。

管理人 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください