頑張れ!

陸自ヘリ、福島第1原発3号機への冷却水投下作業を開始(産経ニュース)
2011.3.16 17:36
 防衛省は16日夕、福島第1原発3号機について、陸自大型輸送ヘリCH47を使い、上空から原子炉冷却用の海水を投下する作業を開始した。
 3号機は水素爆発で原子炉を覆う建屋の天井が崩れた状態で、防衛省は上空からの冷却水投下が可能だとみている。

炉心冷却装置の復旧へ、新送電線着工(YOMIURI ONLINE)
 東京電力は、福島第一原子力発電所に外部から電力を供給するため、新たな送電線の設置に着手、原子炉を冷やす緊急炉心冷却装置(ECCS)の16日中の復旧を目指す。
 成功すれば、燃料棒が露出したままの1~3号機の炉心溶融などの危機が回避される。
 同原発では、地震によって停電したほか、ECCSなどを作動させる非常用ディーゼル発電機も津波の影響などで破損した。
 東電は、社員ら70人体制で、電源車を使った消火用ポンプで、炉内への海水注入を続けているが、ポンプの能力は小さく、難航していた。高圧の外部電源を確保することで、炉心を効果的に冷やす高圧炉心スプレー、格納容器冷却スプレーなどのECCSの作動が可能になり、「冷温停止」状態を導くことができる。
(2011年3月16日14時31分 読売新聞)

米GE、注水支援に電源車10台 東電の要請受け日本移送 (日本経済新聞)
2011/3/16 8:03
 【ニューヨーク=小川義也】米ゼネラル・エレクトリック(GE)は15日、東京電力からの要請を受け、移動電源車10台を日本に移送すると発表した。事故が起きた東電福島第1原子力発電所では、原子炉を冷却するための注水作業などに必要な電源の確保が課題となっている。
 GEと日立製作所の原子力事業合弁会社であるGE日立ニュークリア・エナジーによると、提供するのは発電用ガスタービンをトラックに搭載した移動電源車。10台で合計280メガワットの出力があるという。
 福島第1原発と第2原発にある10基の原子炉はすべてGEが設計したデザインを採用している。ジェフ・イメルトGE会長は14日、「あらゆる技術支援を提供する」と表明していた。

再臨界、これだけは避けなくてはいけない。そのために、今は全ての努力を傾注すべきでしょう。全てはそれからです。とにかく燃料棒、使用済み燃料棒を冷やさなくてはいけません。
日本にとっての正念場。だからこそ陛下もあのタイミングでおことばを賜られたのだと思います。
と書いていたら、自衛隊のヘリコプターは上空の放射線量が規定された上限を大幅に超えていたので、本日の作業を断念したそうです・・・。なかなか困難な状況であることには変わりないですね。
彼らの奮闘と、日本の幸運を心より祈りたいと思います。
Fukushima_power_plant_no1
(福島第一原子力発電所からの距離の地図)

「頑張れ!」に10件のコメントがあります

  1. 津波対策について
    日本は津波に対する経験の豊富な国で、対策も色々考えられ実行されて来ました。
    対策は、大きく分けて:
    A高所で対応(欠点は海と関わる生活に不便、水の確保が困難)
    1。高所に住む。
    2。高所に避難場所構築
    B低所で対応(若し対策が不十分なら、大災害:今回がそれに該当)
    1。水門を持つ高く堅牢な堤防を造る(田老が該当)
    2。避難用堅牢中高層構造物(多くは建物)を建てる。
    3。防潮林、護岸、堤防で水勢を削ぐ。
    4。津波警報を出し、避難時間をつくる。
    5。迅速避難の出来る都市計画や体制造り
    等々があり、実際には、此れ等を状況に応じ組み合わせて安全度を高めています。
    A
    高所移住の例に、岩手県山田町山ノ内 があります。山田町は今回も壊滅的被害を受けましたが、津波の経験から奈良時代に高所に開かれた山ノ内地区は被災
    したことはありません。ただ、海との関連はどうしても海辺の山田町中心に比べ薄くなります。
    高所避難場所の例に千葉県鴨川の日枝神社があります、避難用に新たに神社を開き高所に広場を造り、そこに到る階段道を造りました。グッドアイディアですが,階段を走って登れない老人や病人は見殺し。自然の掟に則った手法とも言えます。
    B
    海岸近くの低所に住むことは、地震国日本では恒に危険に曝されている事です。
    日本の原子炉は海岸に並んでいるので、津波の高さを想定し堤防の高さを決めています。M=8.5~8.75想定で、M=9.0の地震の津波では堤防を軽く越えます。田老でも同じで、今の3~4倍の高さの欲しい所ですが、今の堤でも住民に圧迫感を与える程の物ですから、もっと巨大な物を造る気になるかどうか。
    避難用堅牢中高層建物は、将来性があり、今後もっと適切な形、強さを持つ様に設計され、後述の都市計画と合わせ配置も決められるでしょう。
    防潮林等は力不足です。唯、海岸浸食を防ぐ手段として今後も利用され陸地を広げる意味を兼ね多少津波にも役立つでしょう。(波の速度と力の低減)
    警報は今でも相当の効力があります。今後も、多少の警報迄の時間の」低減が期待されますが、震源に近く地震の破壊力の強い地域に津波が早く到達する事実は深刻です。
    都市計画と体制造りは今後大いに研究され改善されるでしょう。

  2. 文武両道さん
    コメントありがとうございます。
    わかりやすく津波対策をご説明いただき、大変勉強になりました。
    こうやってご説明いただいた通り、どの問題にも二者択一で選べることは少なく、それぞれのいい点悪い点を比較しながら、何を選んでいくのかが大事だと思います。
    まずマスコミの方にはどうかこういった具合に自分たちで結論を出すのではなく、判断材料となるものをわかりやすく咀嚼して、報道してほしいと思います。多くの人はこういったことを求めているからこそ池上彰さんが大人気となっているのではないでしょうか。
    今回の地震は一説によると1000年に1度クラスだとか。であれば、今回の津波を最大値として再度基準の構築を図ることが当然なされるでしょう。そうなれば、まずは低所の対応のレベルが上がってくるのでしょう。問題はおっしゃるるようにかなり高くなる堤防の高さに納得できるか?という点でしょう。後は総じて納得されるのではないでしょうか。あと、堤防を越えてしまった海水が逆になかなか引かないという問題もあったようです。水抜き穴の類の問題も出てくるかも知れませんね。
    とにかく、こうやって問題が生じたら、ひとつひとつ問題を特定し、その対策を行っていく。これしかないのでしょう。これこそが日本の誇るカイゼンの方法ですしね!

  3. 1000年に一度の巨大津波に対し、堤防を築くために物凄いお金をかける?今起ったので当分の間起る可能性の低い大津波の為に!?
    なら多分、壊れた堤を理し現状に復帰させるのがせいぜいで、寧ろ、避難用にも役立つ中高層ビルを順次建てながら、復旧させる。但し、他地域の原発の堤防は
    直ちにかさ上げし、ついでに各原子炉建屋の回りに高い堤防を設けます。
    東海、東南海、南海地震対策の見直しは必須です。
    福島原発には、全神経を集中しています。一喜一憂状況です。

  4. 文武両道さん
    コメントありがとうございます。
    おっしゃるように、モノを作るにはコストがかかり、あとはそのコストに価値を見いだせるかどうかだと思います。三陸沖の方々は明治・昭和の大津波での被害を受けて移住するか、そのままとどまるかを考え、堤防を作ることにしたとのこと。あとは、どれだけ理性的に考えるか、ないしは情緒的に考えるかなのでしょう。ただいずれにせよ、そういったことを考えられる状態になるには、相当な時間が必要でしょうが。それにしても、生活の糧の近くであり、また生まれ育った街が文字通り壊滅してしまう気分を考えると、言葉を失いますね・・・。
    いずれにせよ、的確なご指摘ありがとうございます!
    原発に対する安全基準は、揺れはともかく、周辺環境と津波対策は必至となるのでしょう。ようやく電源も復旧しつつありますね。あとは機械の損傷が少ないことを祈るばかりです。

  5. 今、テレビでは原子力の専門家がコメントしていますが、若手の研究者は育っていません。
    なぜか、高校生で原子力を学ぼうとする人が少ないから。これは欧米でも同じ。
    アメリカが原発をつくろうとしても技術者がいない。
    かろうじて日本がその役割を担おうとしていたのです。これで日本も今後、原発をつくろうとしないので、大学も先細り・・・
    これは土木についても同じ。
    仕事がなくなって就職できないうえ、リスクが高い。
    しかし原子力や土木の人材が供給されなければ、
    原発つくりどころか廃炉もむつかしい。
    これから真夏を迎え、冷房のない、高校野球の放送のない夏を耐えなければなりません・・・
    原油価格が高騰し原子力にも頼れないのですから。
    自分が安全なところにいて、指示だけをする
    海江田さんを都知事が批判しましたが、
    金融で危機を儲けの手段にする分野に優秀な人材が
    育ち、日頃は見向きもされないのに、危機のときだけ
    批判の矢面に立たされる技術者研究者に同情します。

  6. 上記を読んだ私塾・塾生からのメールです。
    「大震災が発生するまで、日本では原子力発電への新たな機運が高まっておりました。東電の青森・東通り、関電の福井県での増設などもありますが、それ以上に各社ともアメリカ進出、オールジャパンでの原発の売り込み、弊社でも原子力本部に人員を集めて対応を検討しておりました。
    その矢先の東日本大地震。東電が福島原発の問題を初期鎮火できていれば、世界に向けてのすばらしい宣伝になると期待しておりましたが・・・オールジャパンの中核となっている電力会社こそ東京電力でした。国内だけでなく海外進出などとても言える状況ではなくなりました。それだけに収まらず、世界各国で原発見直しの風潮…、地球温暖化も吹っ飛ぶほどの勢いです。」

  7. 残念ながら、此の震災で原子力利用が頓挫することは間違い無いでしょう。
    しかし、現在の技術の中で、日本の必要エネルギーを確保出来る手段は他にありません。
    勿論、太陽光等自然エネルギーは出来るだけ利用すべきですが,設備製作のための二酸化炭素発生、必要面積、コスト等を考えると、とても必要量を満たすことは出来ません。
    先ず、今回の失敗の原因を徹底的に解明し、2度と同じ失敗を繰り返さない為の対策を立てるべきです。前にも述べましたが、既存の原子炉の防潮堤はすぐにでも補強かさ上げすべきです。至急、補強マニュアルを作り実行しましょう。
    次に、PWR、BWRの徹底比較検討です。熱交換器の問題が片付いた現在、私は、東電のBWRより関電のPWRが良いと思います。今後は統一方向を目指すべきでしょう。50Hz、60Hz問題も、50年計画を立て順次統一すべきです。
    海縁の過疎地に原発を並べるのも止めたいですね。外国のミサイル攻撃に対する弱点です。
    事故を起こしても良いように過疎地に建てるより、密集地の地下深く外敵攻撃にも耐える物を堂々と点在させ、冷却用熱も捨てずに利用すべきです。
    半減期の長いプルトニウム利用は確かに怖い。でも、将来はウラニュウムを6倍に使えるFBRの研究と無限に近いエネルギー源となる核融合の研究は、日本だけでなく世界にとり必要です。
    毎年大勢の死者を出す自動車が使われています。自動車無しの社会が成り立たないから止むを得ず使うのです。原子力も同じであることを皆に理解して貰うための努力が必要です。

  8. 文武両道さん
    コメントありがとうございます。
    今は塾も経済学部より法学部法律学科の方が難易度がかなり高いとか。経世済民を考えるよりは、法家として言ってみれば悩みの相談を受ける方が高い評価=お金を得られるということの表れでしょうか?
    何が何でもものづくりが大事と言うつもりはありません。金融は金融で経済の血液・潤滑油として、必要とされるところに効果的に資金を融通しなければならないですし、法律が市民に寄り添わなければ、法治国家として成り立たず、誠実に働く意欲を国民が失ってしまいますから。でも、彼らの方が高級な仕事をしているかというと、そうは言えないでしょう。職業に貴賎の差はないですから。
    結局のところ、技術者を最後まで重用する形も空気もないところが、こういった技術者不足を招いたり、慢性的な国際競争力低下に繋がっていると感じます。
    国として弁護士を増やすのも結構ですが、どういった種類の技術者がこの国には必要なのかもう一度整備し、たとえば資格制度を作り直すとかして、必要数の数の技術者をもっと手厚く遇さないと、この国の根幹が揺らぐような気がします。例えが悪いかも知れませんが、ヴェネツィアン・グラスのように。
    原子力についても、この災害から一方的に批難するのでは、おっしゃるようにこれとどうやってより安全に付き合うかを考える方が正しいと思います。このエネルギーは再生可能なものになる可能性を秘めていますから。その意味でもプルサーマルを始めた福島原発にこういった事故が起こったのは返す返すも残念でした。
    原発については上田監督が英エコノミストの興味深い記事を紹介されていましたね。さすが英語の教師と思うと共に、そう言えば福澤先生がウェブスターの経済書を講義していたのも、同じようなことだったのかと思いました。英語の教師はただ文法を教えるのではなく、英語世界のものの考え方を紹介する役目だと考えた方が本来の意義に適っているのかも知れませんね。

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