今回の人事

今回の内閣人事は、数多くの場所で波紋を呼んでいますね。まあ、自分なりに感じたことを書き連ねてみます。
○濱田さんの引き抜きと亀井さん
これは菅さんがどうこう言うより、亀井さんの策謀のように感じます。亀井さんの国民新党は選挙のたびに議席を減らし、小泉進次郎さんに「支持率0じゃないですか」と揶揄されるような状況。こうなると、座して待っていれば消滅しかないわけで積極的に仕掛けるしかない。ちょっと前に下地幹事長が「結局民主、自民、公明で話し合っているんだし、すでに連立みたいなもんじゃないですか」とすねていました。この枠組みでいる限り、国民新党の存在感は発揮しようがないわけです。このようにギリギリの数字バランスになる時がまさに国民新党の参議院議席3が生きてくるわけで、確かにうまいことを考えたものです。
平時なら。
これだけ緊迫している情勢の中、完全に党利党略で動いている発想がいったいなんなんだろうと思います。小泉さんの最初の総裁選の時、情勢が橋本さんではなく小泉さんに利ありと見れば小泉さんにすり寄り、小泉さんが重用しないとわかれば反主流派に回り、民主党政権になれば郵政の話しで無理な人事を押し込みと、この方の発想からは国益・広い視野というものが感じられないのです。
でも責任を取らされるかも知れない副総理には就任せず、総理補佐官に就任。職務は何ですか?との質問に、「それは・・・、あれだ。総理を補佐するんだよ。」とは・・・。
でも下地さんも素直な人なんでしょうね。あれだけテレビで「濱田さんを抜いたのは数合わせのため」って何度も言わなくてもいいのに[E:sweat01]
○細野さんの原発担当大臣就任
自分はこれは評価しています。というか、細野さんは尖閣の時に中国に太いパイプがあると見られていた元大幹事長・一兵卒さんとか前総理、現外相が行かない中、単身中国に乗り込み、何はともあれ話しを付けてきたり、今回の原発の対応も正面から立ち向かっていたりしていて、失敗するリスクより、自分の身を投じる勇気を持っているように見えます。これをしている印象があるのはこの民主党政権で自分には彼しかないんですよね。今回の原発担当も一説によると震災後の最初の大連立騒動の時、自民党の谷垣さんに持ちかけて、断られたとか。みんながひるむ中、敢然と受けて立とうとしたその心意気や良しと思います。
今の政治不信が何から起こっているかと言えば、自分は「国のために俺がやってやる」という人が余りにも少なく、ただ批判をするか、誰かに言われたからこうやる、支持率が上がるからこれやる、当選するためにこれやる、政治家として生き残るためにこれをやるって人ばかりに見えてしまうことからではないかと思うのです。
けっして菅総理が素晴らしいと思っているわけではないのですが、菅総理に対する苛立ちと同じくらい、菅総理を下ろそうとしている人たちが「菅総理、私が総理を変わって、この国を良くします!」という人を立てないことに苛立ちを感じます。対抗馬の旗印はしっかり立てて貰いたい。
ちょっと脱線しましたが、細野さんには大いに期待したいと思います。
○菅さんは何を考えているのか?
まあ、一国の総理の頭の中なんて、自分ごときには思い浮かばなくて当然でしょうが、今彼は何を目的としてやろうとしているんだろうとちょっと考えてみてこんなことを思いました。
実は単純に「復旧・復興と自然エネルギーへの転換」を果たしたいのではと。
菅さんは貝割れ大根、エイズ訴訟の時、もっと言えば市川房枝さんの時から、地道に積み重ねてライフワークを完遂すると言うよりは、その瞬間において政治的課題となることを感じ、それに対してしっかりとした(彼なりに)対応をしたいのではないかと。いわゆる即応型なんでしょうね。だからいつも唐突に何か言います。財政再建のため消費税アップ、自由貿易のためにTPP推進とか。鳩さんもそうでしたが。そう言えば元幹事長の家で乾杯の音頭を取っていたこともありましたね。
で、彼なりの政治的正義のために人にいくら揶揄されようと、非難されようと、目の前のことを実現するために頑張り抜くし、どんな手法であろうと禁じ手とは思わないと。
だから違った言い方をすれば純粋な方なんだろうと。
じゃあ、素晴らしいと思うかというと、全然です。結局その場しのぎにしかならない政治的課題の解決だからです。厚生省に資料を出させるだけではダメで、どのような補償をするかスキームを作らないといけないのです。
まあ、この2ヶ月、どんな動きになるんでしょうか・・・。東北地方の復旧、原発事故の被災者もそうですが、世界経済における日本の地位低下を放置すると、とんでもないことになりますよ・・・、政治家の皆さん。

「今回の人事」に9件のコメントがあります

  1. 浜田さんが政治家になっているとは?
    どうせならお得意の外交分野で手腕を見せてほしい。
    細野さん、立派な会見でした。
    誰が首相であろうとやるべきことをやる。
    それが政治家だ。
    菅さんをひきずりおろそうとする
    鳩山、小沢、前原、みんな菅さんに辞めさせられた
    と逆恨みそているようだが、
    自民党に追い詰められて自分で辞めた、
    その人間が自民党と一緒になって菅降ろし、
    品性がない。
    菅さんも首相を辞めたら政治生命が終わる、
    必死だ。
    自民も菅さんを辞めさせただけでは終わらない。
    自分たちがやられたように徹底的に追い詰め、
    政権奪取する考えだ。
    マスコミも椅子取りゲームを加速させた
    政権批判、世論調査の馬鹿騒ぎの責任を自覚せよ。
    まるで応仁の乱後の戦国時代。
    これが負の民主主義。

  2. ウェッジの最新号で京都大学中西教授が持論を展開されていましたが、なんとなく管理人さんの思いに近いものを感じました。それはそれとして、細野氏への期待は私も持っています。政治家の言葉に重みを感じることのない昨今だけに頑張ってもらいたいですね。

  3. 細野さんといえば、つい…を思い出してしまいますが(汗)※数年後の有馬記念では、お相手の方の2回目の…でまさかまさかのでした。
    そういえば、広報役立ったあの方も更迭のようで。
    それより、せっかく会期延長した国会は?!    1日うん億ともいわれる運営費が(怒)
    なにをしたくて首相になられたのか!?
    そういって面では、あの変人さんは最初から貫き通したのは立派でした。(いいか悪いかは別にして)
    震災前からエネルギーのことを公にいっていれば納得しますが(研究はされていたようですが)
    最後に、うんとか新党には、早く埋没して欲しいものです。

  4. 中西教授は前原氏と同じく京大で高坂政治学を学んだ。
    高坂親子は2代にわたって日本の知識人には稀有な保守の論客だった。
    父高坂教授の名論文「宰相吉田茂論」において、吉田は現実から遊離した理想ではなく実現可能なベストではなくともベターな選択を「単独講和、日米同盟」によって行ったと指摘した。理想としては全面講和、非武装中立であったが、現実には無理と見て、当時の世論を代表する東大総長の理想を「曲学阿世」と退けた。吉田はこの世論を対米交渉にも有利に活用し、再軍備を迫るダレスに世論をタテに拒否、経済復興にアメリカの協力をとりつけた。吉田は日独伊三国同盟に反対したが、これも当時の世界情勢を分析し、三国同盟により日本敗戦必至と見ていたから。以上が父高坂教授の指摘であるが、現在の理想と現実をどう見るか。原発の再稼働は許容しつつ代替エネルギーの道を模索する、というのが唯一残された道だと思うが・・・反原発と全面講和が理想であるとしても・・・

  5. 「政治家にとっては、三つの素質がとくに決定的である。熱情、責任感、洞察力がそれである」
    マックス・ヴェーバーのいう熱情は、心理的な倫理観のみにかられて、現実の行為結果に責任をもたぬ「実らぬ興奮」ではなく、結果に対して現実的な責任を伴うものだ。この熱情と責任に、さらに洞察力を加えたものが、政治家たるものの素質だとヴェーバーは言う。
    菅、小沢、鳩山トロイカ体制は、政権の獲得、その温存については熱情的である。自民党を追い詰めた3人の熱情は、権力本能にもとづく私的熱情にすぎない。小沢、鳩山が退いたあと、菅をひきずりおろそうとし、菅が首相の座にしがみつくこの光景を見てそう思う。
    民主党の沖縄基地移転から脱原発に至る数々のスローガンはリップサービスにとどまって、事態の本質は一向に改善していない。場当たり的な小手先の取り繕いばかりで、事態の本質を正攻法で改善していく意欲に欠けている。政策全般に対するリップサービスの繰り返しにとどまり、体系的な論理が一向に示されない。場当たり的であって、そこにはヴェーバーのいう冷静、透徹した予見力もない。

  6. 亀井VS小沢の最終戦争
    小沢が割って出た新生党をつぶすため
    村山をかつぎだした亀井。
    小沢が起死回生の自民と組んだ
    菅追い落としを土壇場で阻止した亀井。
    錦の御旗で官軍をつくり逆転した
    岩倉具視も顔負け、
    さすが警察官僚出身。
    ついに10月訪中まで指示した菅。
    これも亀井のシナリオかもしれない。
    前回の震災時・首相村山、今回菅、
    いずれも亀井のになう社会主義者。

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