国家の品格 -中国の高速鉄道事故を受けて

何とも痛ましい事故がお隣の中国で起こりました。

中国高速鉄道が停止中の列車に追突、11人死亡(From YOMIURI ONLINE)
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 【北京=関泰晴】新華社電などによると、中国東部・浙江省温州で23日午後8時半(日本時間同9時半)頃、北京発福建省福州行きの高速鉄道列車が、止まっていた浙江省杭州発福州行きの別の高速鉄道列車に追突、杭州発の列車の2両が橋から川へ落ちた。
 新華社は、この事故で11人が死亡、89人が病院に運ばれたと伝えた。上海の日本総領事館は日本人が事故に巻き込まれていないかどうか調べている。突貫工事が続いた中国の高速鉄道は、安全性をめぐって不安の声が出ていた。
(続きはこちら。なお、この記事を書いている段階では死者は43人となっています)

正直に言って、このニュースを最初に聞いた時、犠牲者の方々の安否とかより、「だから安全性が・・・」とか「中国の政府当局があれだけ技術の優位を謳っていたのに」といったことを思いました。
そしてそれは自分だけでは無いようで、報道でも犠牲者に対する哀悼の意とかより、中国の高速鉄道に対する問題点の指摘ばかりが目立つ結果となりました。
この流れを見た時、奇異に感じるようになりました。なぜ、犠牲者に哀悼の意を示したり、援助を惜しまないといったメッセージが日本から出されないのかと。
これはきっと、今回の高速鉄道が開通する前後で起こった特許騒動と、その後の中国の鉄道省のスポークスマンのとった態度が、日本国民の神経を逆なでしていたからなんだろうと思います。

中国版パクリ新幹線を米国で特許申請へ 「安全性置き去り」7月1日に見切り発車の北京-上海線にも採用(From 産経ニュース)

「技術は日本の新幹線よりはるかに優れている」 中国、整備新幹線に関心(From 産経ニュース)

これを見て、今更ながら「新幹線」というのは日本人にとって戦後復興、技術大国の象徴的存在であり、誇りの源だったんだなあと思わされました。そういった「国としての誇り」みたいなものに、配慮を示さず、さらに報道官に至っては小馬鹿にしたような態度を取ったことが、今回の事故に対するある種の冷淡な反応を招いていると思います。
でも敢えて言いたいと思います。これでいいのか?と。
曲がりなりにも日本も関わった高速鉄道でこれだけの大惨事が起こったのです。今までのいきさつがどうであれ、やはり国としては事故発生から早い段階で
「犠牲者への深い哀悼の意と、事故に対する惜しみない技術支援を用意している」
旨を中国政府に伝え、また大きくマスコミに報道して貰うようにするべきだと思います。
そういった「信義を重んじる」姿勢を取り、また発信することこそが、品格を持った国家のするべきことだと思います。
政治家、政府には一刻も早くそういったメッセージを出して欲しい。
マスコミには、相手の不幸に対してどこかしら底意地の悪いようなことばかり言っていないで、相手が困った時こそ助けるべきだと言って欲しい。
中国だって東日本大震災の時に救援に来てくれたのだから。そしてそれは、四川大地震の時の日本への恩返しだと思って来てくれたのだから。そういった気持ちこそを思い出し、報いるべきだと思うのです。そしてそういった行動こそが、国家の品格を高めると思うのです。
いかがでしょうか?

「国家の品格 -中国の高速鉄道事故を受けて」に1件のコメントがあります

  1. 時間の経過と共に犠牲者の数が増えてきました。犠牲になられた方は本当に気の毒です。 事故は起こしてはいけない。しかし、起きてしまったからには原因究明をしなくてはならないのに、昨日の遅い段階からあり得ない情報が。高架橋から車両を投げ落とし、解体し、あげくの果てに埋める。どういうお国なんでしょうかね。本当に落雷の為のシステムの故障なのかもこれじゃ[E:angry]

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