白村君の凄い球

昨日の試合は残念でした。
しかしながら、何度も書いていた「この試合は白村君にとって有意義だったと思います。」という部分。ただ前向きに行こう!というのではなく、本当にそう思える内容だったからです。
これを白村君のケイスポに掲載されていたインタビューと併せて見ていきましょう。
「初回は気負い過ぎたというか、おととい投げて打たれる感じがしなかったので、監督からも完封しろと言われていましたし、僕自身も完封できると思っていたので、ちょっと気持ちが入り過ぎたかなと思います。それで初回あんなピッチングになってしまったじゃないかなと思います。」
実際に見ていてもそう感じていましたが、その時の連続写真です。
Hakumura1s
インタビューでは触れられていませんが、2回もそれほど良くは無かったです。ここら辺までは阿加多君も結構変化球を投げさせて、力みを取ろうと考えてリードしていたようです。
Hakumura2s
「それ以降は普通に投げられて良かったと思うんですけど、」
の時はこちら。自分も思わず「覚醒」と書いたほど、非の打ち所のない投球でした。
Hakumura3s
「今日は大事なところで点を取られているのでまだまだ未熟だなと思います。(八回二死からの四球が痛かった)そうですね。ツーアウトからのフォアボール(をきっかけに失点)は去年の秋やられているので、本当に注意していったんですけど、それでも足りなかったです。精神的にまだまだ弱いですね。中盤良くても大事なところが良くないと意味ないので。(今週末の東大戦に向けて)相手云々ではなく、自分との戦いだと思うので、相手のことは気にせずにしっかりやるだけです。」
四球をきっかけにと書いてありますが、攻めた結果の四球ならそれほど大きなダメージにはならなかったと思います。自分は高木悠君を2ストライクと追い込んだ後に良い当たりをレフトポール際に打たれたところで、今までの「普通に投げて」いた感覚に揺れが生じたように見えました。その揺れを修正できないうちに四球。そんな空気を感じたからこそ、すぐに山﨑錬くんが声を掛けたんだと思います。しかし、法政の揺さぶりが功を奏し、西浦直君に勝ち越しの2塁打を打たれてしまいます。その時の写真です。
Hakumura4s
どうでしょうか?精神面云々はともかく、良い時と悪い時の白村君のフォームの違いの傾向がわかったような気がしました。
それはリリースポイントです。初回、球離れが早く振っている腕ほどボールが速く見えませんでした。2回の時のフォームも腕を前に押し出すと言うより真下に落とすような感じでした。
それと比べて「普通に投げていた」時のフォームは、リリースポイントがより打者寄りとなっていて、膝も上手く前に送っているので、打者からすれば随分前から、それもスピンの効いたボールが来たように感じたのでは無いでしょうか?
もう一度、1回の写真と4回の写真のリリース直後の写真を掲載します。
1回の時です。ボールの位置にご注目下さい。
_dsc4541
_dsc4606
続いて4回の時です。
_dsc5244
どうでしょう?4回の時の方が腕を振った時のボールの位置がより打者寄りになっているのがわかるでしょうか?このように白村君は精神的に動揺し出すと球離れが早くなってしまい、せっかくの肘・手首のしなりが使われず、球速は出ているものの棒球になりやすいところがあると思ったのです。セットポジションの時もちょっと早めにリリースしてしまう傾向があるようです。
であれば、あとはそれを意識した練習をすればいいと思うのです。とにかくリリースポイントを一定に、場所は前目に置くこと。これを意識すれば、大事なところでも抑えられると思うのです。文字だけだと伝わりにくいですが、3回〜8回2死までは本当に惚れ惚れするような投球で、こりゃあ誰も打てないなと思わされる内容でしたから。あの球が投げられれば大学野球でも十分に圧倒できることがわかったことも大きな収穫です。方向性に間違いが無いことがわかったのですから。本当に「白村君の凄い球」だったのです。
さあ、東大戦ではその練習も兼ねてセットポジションからでも前目でリリースポイントを取ることを意識して、そして明治戦・慶早戦ではその持てる力を存分に発揮して貰って、優勝を勝ち取りましょう。恩返しのためにも。
ちなみに今回の意見はFさんの意見を参考にさせて頂きました。Fさん、お久しぶりでしたが、本当に楽しかったです。どうもありがとうございました。

「白村君の凄い球」に4件のコメントがあります

  1. 気づけば、白村くんも三年生の秋ですか。高校の頃はドラフト候補とも言われ、六大学では直ぐに活躍も期待しちゃいましたが。
    精神面。一番難しい課題かも知れませんが、今秋は勿論、来年以降のシーズンを考えた場合、彼の存在は欠かせませんからね。
    それにしても、いつもこうやって写真をつけての解説は有難いです。
    ご多忙かと思いますが、今後もよろしくお願いします。
    余談・昨夜は楽しかった。今夜もいく予定でございます(^^;

  2. 黄色と黒は勇気のしるし♪さん
    コメントありがとうございます。
    本当に気づいてみれば、彼も3年生の秋。神宮で日本一になってから4年も経ったのかと思うと、月日の経つのは早いと改めて感じますね。持っている球は本当に凄いのだから、より高いところに覚醒してほしいと祈るばかりです。
    伊藤君、今日は試合に出して貰えませんでしたね。なかなかプロは難しいものです。でも写真を見る限り、身体は一回り大きくなった印象です。彼のことだから相当努力しているんでしょうね。この1年は雌伏の時で、来年以降の活躍を期待したいと思います。上本君、ようやくレギュラーを勝ち取りましたね。

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