平成20年度明治神宮野球大会決勝戦 対天理高戦 観戦記 前編

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[E:crown]祝優勝![E:crown] 日本一おめでとう!! 塾高野球部
まずは塾高野球部の選手を始め、上田監督以下の首脳陣、関係者の方々、ご父兄、そして応援している数多の慶應野球部ファンの方々、優勝おめでとうございます!![E:shine][E:shine][E:happy02]
さて、声高らかに観戦を宣言したものの、実は所用が少しあり、球場に着いたのは11時過ぎ。
スコアボードを見上げると、3回表で4-2とリードしているところでした。
そしてもう少しよく見ると、2回裏の天理高の得点が無安打で2点・・・?
で横にいるげんきさんに聞いたところ、「四球四球で2アウトから落球により2点取られた・・・。」
とのこと。
そして回は3回裏に。投手は明くんです。
2死まで順調に進み、今日も調子がいいぞと思ったのも束の間、中前ヒットと右中間3塁打で1点返されてしまいます。その後連続四球を出し満塁となったところで交代となりました。
前回の観戦記の時に明くんについて書きたいことがあるのですがと書きましたが、それはちょっとネガティブなことで、実はこのときも同じことが出ていました。これからしばらくオフシーズンなので書くことにします。ランナーを出さずに順調な時の彼はキレのある良いボールをテンポよく投げています。
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ところが走者を出してクイックの時や、ピンチの時になると、途端に腕が振り切れなくなり、体重も前に移動しきれなくなります。
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なので関東大会の時から、ピンチになると大量失点につながる傾向があったのではと思います。持っているボールは素晴らしいものがあるので、この冬は体力作りに励むと共に、クイックのモーションやピンチの時にこそ腕を振り切るような意識付けを考えてみれば、もっと素晴らしい投手になるような気がします。頑張れ!明投手。でも、ここまでよく投げたぞ!いきなりエースがいなくなった状況下、経験できた試合は大きな宝物となるでしょう。
で、続く瀧本投手も最初は明らかに緊張していましたね。トレードマークの笑顔が無く、こわばった表情をしていました。
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で、同じく腕を振り切れず、体重移動もスムーズでないため押出しの四球を出してしまい、同点に・・・。
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しかしここで吹っ切れたのか、続く打者からはしっかりと腕を振り切り体重を乗せたボールを投げ、何とか同点でしのぎました。
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ここでは天理高の作戦の徹底も光りました。この回確かスイングは殆ど無く、この3連続四球の時、全く振っていないはずです。チャンスなのに、あえてじっくり待つ。さすが試合巧者のチームです。
4回表、塾高野球部は三者凡退。
続く4回裏、天理高の先頭打者が内野に打ち上げて1死かと思いきや、まさかの落球[E:coldsweats02]
そして続く打者がしっかりと送ります。
普通だと、追い上げられ、しかも押出し。直後の攻撃が三者凡退で、次の打者の時にエラー。ここまで揃えば、流れは確実に相手に行くものだと思います。
しかし、いかないのです。瀧本くんが後続の2人の打者を無難に抑えてしまいます。
逆に5回表、四球で出たランナーが牽制悪送球で2塁に進み、バントで送ろうとしたところ投手の悪送球で13塁に。ここで渡辺くんが叩きつけるバッティング2ゴロの間に3塁ランナーが生還し、5-4と勝ち越し!
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更に植田君が四球を選んだ後、続く宮下くんがセンター前にクリーンヒット!
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2塁ランナーが一気に本塁を陥れます。
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更に植田君が巨体を揺らし3塁に滑り込みますが、間一髪アウト!しかし、その積極的な走塁、しかも失礼ながら余り足が速そうでない彼が、突っ込んだことに今の塾高野球部の強さの一端が垣間見えた気がしました。
続く5回裏、内野の悪送球でまた先頭打者を出してしまいます。
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ここですかさず走られ、タイミングはセーフだったのですがオーバーランでタッチアウト。しかしまた左前ヒットとピンチは続きます。そしてまたもや先ほどと同じ野手のところにゴロが。彼も相当意識してしまっているのか体が随分ギクシャク動いていましたが、なんとかダブルプレー!
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この頃から白村くんがウィンドブレーカーを脱いで投球練習を始め、スタンドが少しざわつきました。しかし、次の攻撃時に円陣を組むことになり、すぐさま彼も円陣に加わります[E:coldsweats01]
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今日は前の方で観戦していたので、円陣の時の声が聞こえてきたのですが、なんか漫才をやっているような雰囲気でみんなゲラゲラ笑っています。最後はハイタッチでベンチへ。なるほど、確かにエンジョイしています[E:happy01]
でもこういった雰囲気をこの緊迫した試合で作ることが出来るのが、このチームの精神面の強さにつながっているのでしょう。
ここら辺で昨年度の塾高応援指導部の主将、小山くんがスタンドに駆けつけます。そうです、塾高は今、中間試験の真っ只中。試験を途中で終え、急遽神宮に駆けつけたそうです!!なんと熱い[E:annoy]心を持った男なんでしょう、彼は。
さすがにそんな状況もあり、応援席はブラスバンドは一切無くアカペラ状態でしたが、そんな中、早速スタンドを引っ張ります。
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6回表、塾高は先頭打者の春山くんが中前ヒットで出塁。続く瀧本くんの時エンドランをかけるも空振り。しかしこれが盗塁成功となり、続く球をバスターで1ゴロ。1死3塁と追加点のチャンスを迎えます。
しかし、ここは相手投手が踏ん張ります。彼は投球フォームも流れるような形でしたし、ピンチの時はしっかりと外角低めに投げることが出来ていました。
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結局二者連続三振でこの回は無得点。
続く6回裏、内野ゴロをファンブルして、三度エラーで先頭打者を出すことになります。
そしてランナーがすかさず盗塁。続くバッターは当たり損ないのサードライナーでしたが、その後の打者が中前にクリーンヒット!1点を返され6-5に。
ここで次の打者を遊ゴロに打ち取るものの、二塁を踏んだ後一塁へ悪送球・・・。ランナーが一人残ります。
ここで、ついに白村くんにスイッチ。全国優勝の成否をついに彼に託すこととなりました。[E:shine]
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今回は写真も多く、なんか随分長くなってしまっているので、ここで一旦終了します。後編もまたアップしますのでどうぞご覧になってみてくださいませ<(_ _)>

「平成20年度明治神宮野球大会決勝戦 対天理高戦 観戦記 前編」に3件のコメントがあります

  1. 明日も仕事があるのに、ご苦労様。
    皆さん、速報並にチェックしていました。
    今日は上田さん、脇村さんと湘南高つながりで、
    塾OBからエピソードを色々、うかがいました。
    オフレコなので、詳しいお話はできませんが、
    「野球愛」がわかります。
    東大OBにはメールで真相?を尋ねましたが・・・
    脇村さんが優勝旗を渡すとき、嬉しそうだった。
    また後半を楽しみにしています。
    それにしても素晴らしい記憶力ですね。

  2. 東大OBからの返信
    「何をやっても超一流、現代ではそれが難しくなってきた。分野があまりにも細分化されたこと、そして専門化が深くなったことがその理由と考えられます。
     最近の高校野球のレベルは非常に高いものになってきた。野球が長年研究され、プロ野球などで実践されるのを見て、高校でも野球の知識レベルは非常に高いものとなっている。どこに差がでるか、というと、どれだけ生活を野球に打ち込めるか、どれだけ経験を積めるか、ということになる。そうなると、野球の専門学校のようなところに勝つのは非常に厳しくなる。これが現状だと思われます。
     文武両道について、最近考えていることを語らせてもらいます。
    文武両道と言われ続けておりますが、その定義に間違いないと思います。しかし、それを高校の3年間、もしくは大学の4年間で「結果を出す」となると、非常に難しいと思われます。
     文武両道について、一つの解釈をさせていただきますが、日本の場合、高校時代の「文」とは、知識の習得と勉強の方法を学ぶこと。なかなかそれを「実践」する機会はございません。テストがそれに近いものかもしれませんが、求める意味合いが違うでしょう。
     一方、高校時代の「武」とは、一生の体力の源を作る場であるが、「実戦」を経験できる場でもある。トライ&エラーを考えた場合、若者がそれを実感し、さらなる高みを目指すことを身につけるには、「武」は大きな役割を果たすものになりえると思われます。
     あとはその者がどれだけ真剣に向かい合ったかがその価値を大きくするものと考えます。
     文武両道の精神は一生のものと思われます。人生その二つだけではございませんが、「武」を「実践」と考えれば、この二つのバランスが大切であると考えられます。」
    エラーについて塾OBからのメール
    「掲示板でエラーについて非難の応酬が続いているのは残念。
     エラー6個は、春山君のライトフライから心理的な不安が他の選手に伝染したもの。
     彼のフライはイージーフライを落球したように見えるが、
    神宮のあの箇所は、アンツーカーと芝生の切れ目で足下が
    とられやすい。
     追いつかなければヒット、追いついたからエラー」

  3. 文武両道さん
    コメントありがとうございます。
    内容がつながっていると思いますので、併せて返信させていただきます。
    専門性を極める。
    広い視野を持ち、全体像を見極める。
    このどちらも、何かものごとを為す時には大変重要だと思います。
    一人の人間としてどちらも兼ね備えることは、理想としてはありだと思いますが、なかなか難しいでしょう。
    でもチーム、組織として考えるなら、逆にそうであらなければならないと思います。
    なのでどんなチームにでも、結果をあきらめることなく、チームとして今やるべきこと、個々の役割をしっかり決めていくことが、大きな結果につながるのではないでしょうか。
    「結果」というものの捉え方はそれぞれですが、自分たちなりに設定した「目標」に到達するかしないか、それによって「結果」を出したという達成感に繋がるのだと思います。
    長嶋茂雄さんが「野球とは人生そのものだ」というコメントを出された時、最初はまた長島語の一つかなあなんて失礼なことも思ってしまっていましたが、最近は妙にしっくり感じ入っています。
    野球での一つ一つの取り組みは、まさに人生において擬せる部分が多々あるように思えるからです。
    また、帰納法・演鐸法といった考え方は、意識していようがいまいが、スポーツで何かを成し遂げた人たちは実践しているようにも見えます。
    なので自分なりの「文武両道」の解釈は、固定観念に囚われることなく、それぞれの分野に打ち込むことで、人間としての幅を広げること(その後を書き始めたらまとまらなくなったので、簡単になってしまいました)なんだと思っています。
    なのでその方のメールの最後の部分、すなわち
     あとはその者がどれだけ真剣に向かい合ったかがその価値を大きくするものと考えます。
     文武両道の精神は一生のものと思われます。人生その二つだけではございませんが、「武」を「実践」と考えれば、この二つのバランスが大切であると考えられます。」
    とのお言葉には、大変共感致しました。
    エラーについては難しいゴロもありましたが、フライ捕球ミス、悪送球もありましたので、一概には言えないと思っています。
    尤も神宮の人工芝が張り替えられてからは、やたらにボールの勢いがそがれるようになったので、リズムが狂う部分はあったでしょう。
    いずれにしても良い課題が見つかったと思い、次につなげていってほしいですね[E:happy01]

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