WBC 成功をイメージするか?最悪を想定するか?日本対韓国戦(GAME6)をTVで見て

この前の韓国戦の後、オークションでいいのを見つけたので今日の試合も見に行こうとしましたが、ブログの写真を整理していたら、入札の時間が過ぎてしまっていた愉快な管理人です。
さて、今日の試合は残念でしたね!
それにしても解説の古田さんの読みは冴え渡っていましたね!
特に4回の1死12塁の場面で、金泰均選手に城島捕手が内角を執拗に攻めているのを見て、
「このまま押した方がいいと思っているのならば、村田選手はもっと3塁線寄りに構えるべきだ。勢いの無い打球だとしても、3塁線に飛ぶ恐れがある」
と言ったら、そんな感じの打球が3塁線に飛び、タイムリーヒットに。その後も打者勝負になりがちなバッテリーに走者牽制を言ったり、相手の投手の考えていることを言ったり、実はリリーフ投手は勝っている時に投げるからクイックが苦手だとか、9回表の守備位置の中途半端さを指摘していたり、最近の解説者の中でも聞いていて群を抜いて面白い解説でした。これぞ!プロといった感じです。
それに比べて、今回は原監督の良くない部分が出てしまった試合ですね。
長嶋監督もそうでしたが(実は王監督もそんな風に見えました)、自分の中に閃いた素晴らしい成功の場面を描いてやってしまっているような気がします。
1)4回裏、得点された直後に1死3塁で村田選手。多分ノーサインでしょう。もしかしたら逆転2ランをイメージしていたのかも知れません。でも、例えば西武時代の清原選手なら間違いなくライトに外野フライをイメージして打っていたはずです。そんな指示を国際大会なら出してもいいのでは?変に中心打者にバントさせるよりはよっぽどチームバッティングだと思います。
2)岩隈投手は5回までで70球近く投げながら、6回表に一人の打者に投げさせました。これの意義は?スターターの責任?でも打たれたら、岩隈投手には韓国に対してイヤなイメージが出来てしまいます。抑えても特段チームを勇気づけるところまではいかない。であれば、気持ちよく6回の表から杉内投手を投げさせた方が良かったと思います。
3)そしてまた7回も杉内投手を少し出してから、それも走者を出して馬原投手につなぎました。ここでなぜ馬原投手?
4)8回裏、イチロー選手が相手のストレートを狙い打ちでヒットで出塁。ここまでは素晴らしいシナリオ。ところがその後にきっと青木選手が打つイメージが出来たんでしょう。さっさと中島選手に送らせます。今日を含めてこの東京ラウンドのラッキーボーイの運を使わず、イチロー選手の足でプレッシャーをかけることもせず、勝負!思わず「野球盤野球」という言葉が出てきました。お陰で林投手も投げやすそうでしたね。
5)8回表のダルビッシュ投手の登板も・・・?わざわざ球筋を見せてあげることもないし、ここで投げる意味があるとすれば「よーし、エースがビシッと抑えたからいけるぞ!」みたいなところでしょうが、もともと気持ちは熱くなっている、万が一打たれたら「松坂・岩隈・ダルビッシュ」の日本三本柱は恐くないぞ!と思わせてしまいます。今日はあくまで順位決め。ギャンブルを冒すよりは、やるべき事の確認の方が大事だと思うのです。
6)9回表の山口投手の使い方もかわいそうでした。あれでは、これから山口投手は萎縮してしまいそうです。なぜ9回なのでしょうか?であれば8回ではないのでしょうか?相手だって超一流なのだから右-右、左-左にこだわっても、ろくな事が無い気がします。
7)チーム内でなんと言っていたかはわかりませんが、少なくとも表向きは「絶対に勝つ!」と言い続けていました。でもこれは、勝てば相手はより雪辱に燃える国民性。負ければ、こちらが勝とうとしているのにやっぱり大事な試合で勝てなかったと苦手意識、となってしまいます。それより、今日の試合の課題はこれだ!みたいにすれば勝たなくとも意味があり、勝てばよりOKとなるんですが・・・。だから余りいいとは思っていませんでした。
と、なんだか真っ向から殴り合って負けた!って感じの試合です。侍の一騎打ちなのかもしれませんが、車縣りの陣のごとく、波状攻撃をしかけることはやめたのでしょうか?
原監督の特徴は選手の状態を見極め、良い場所に配置してあげる。そして選手をやる気にさせる。そういったところにあると思います。ただ配置した後、実際の試合での戦術、つまりどう動いていこうではなく、どんな人を次に当てるかってところに重点が置かれている。だからWBCの様にオールスター級の選手たちが集まるところならば、実はいいのではとも思っています。でも相手の出方を読み、相手の嫌がるところを見つけ、相手を隙をどんどん突いていく、選手をネガティブ指向から守るというタイプでは全く無いですね。陽の当たる道を歩み続けたんだなあって思います。
だからこそかさにかかった時は強い!一次政権での圧倒的な勝利での日本一、昨年の怒濤の追い上げなどです。でもコロッと負けたりもしていました。
野村監督はナンバーで
「原の監督は俺は反対だったよ。長嶋に似ているもん。天才型。何を言っているのかわからないからイライラする。」
「走れる選手が出ると、バッテリーは神経を使いまくるんですよ。ホームラン打者も使いますけど、ホームランの確率なんて、めちゃくちゃ低いじゃないですか。そういうことは、捕手経験のある人じゃないとわからないと思うんですよね。」
「日本が間違いなく世界で誇れる技術を一つ挙げるなら、打者の選球眼でしょうね。」
と語っていました。
そういえば古田さんもよく解説で「ここに投げれば、最悪ヒットで長打はないから、ここに投げるべき」みたいな言い方をしていました。
なんかどうやら自分は、野村-古田ラインの方が聞いていてしっくり来るんですよね。
「成功をイメージする」ことも、メンタル面ではとても大事です。但しプレーヤーなら。
でも、それより
「最悪を想定する」ことは組織を動かしていく上で、とても大事だと思うのです。そうでないと悪い流れになった時に、止めようがなくなるから。うまくいっているときは、好きにやらせていればいいんですから。
そんなことを思った今日の試合でした。
ちなみにイチロー選手の最後の打席のヒットを見て、やはり今まで投手の球が思ったより来ないので突っ込んでいっていたんだなと思いました。ああいった早い球を投げてきてくれれば、復調してくるでしょうね。
村田選手はどうしても力が入ってしまう性格ですね。打席に入る前に監督なりコーチなり、他の選手なりが声を掛けてあげてリラックスさせてあげることが大事だと思います。
岩村選手も球を迎えに行って突っ込んでしまっていますね。一旦休ませて片岡選手を使ってみるか、乃至は徹底的にレフト狙いをさせるかのどちらかをした方がいいと思います。
まあ、でも日本にとっては良いお灸となったことでしょう。
アメリカでは是非自分たちの力を思う存分に出してほしいですね。
頑張れ!日本。

「WBC 成功をイメージするか?最悪を想定するか?日本対韓国戦(GAME6)をTVで見て」に6件のコメントがあります

  1. イチローが打てば、調子に乗る。
    打てなければ、萎縮する。
    精神的なもので、ゲームの勝敗が決した気がします。
    くしくも0対1、
    昨年のセンバツの悪夢を思い出しました。
    韓国の投手、打者の駆け引き無縁の
    力勝負に魅了されました。
    独立さんのゲーム分析、堪能しました。
    「勝ちにおごらず、負けに学べ」
    ということですね。

  2. 文武両道さん
    コメントありがとうございます。
    勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負け無しと、言っている人もいます(なんか誰かさんの語録ばかりですね・・・)。今日の試合は運だけでは片付けられない、負けるべく理由があったような試合に見えました。
    選手はいずれにせよ、グラウンドで全力を尽くすだけ。
    でもそのときにちょっとしたアイディアが湧いてくると、そのチームは強いと思います。
    そんな精神状態になって、アメリカラウンドに乗り込んでいって欲しいですよね!

  3. それにしても凄い注目されているんだと。瞬間視聴率は50%超え、管理人さんのブログのカウントも!!
    でもここからヒートアップしてしまいますと、この先ばててしまうから、まったりと。これから桜井君主演のヤッターーマンでも観にいこう。

  4. おくさん
    コメントありがとうございます。
    昨日はまだしも、一昨日とその前の日はすごい勢いでカウンターが動いていましたね[E:coldsweats01]WBCの関心の高さに驚かされます。
    確かにそのままハイペースで行くと大変なので、一旦緩めないとですね。

  5. 一言だけ。
    結果論ですしタラレバですが、もっと早い回に1点を取りに行くしつこくて泥臭い作戦があってもよかったですね。
    打者の能力だけで勝ちに行くのだったら、負けを決め込んで投手を隠しても良かったか。未登板の投手だけ出せば十分だった。

  6. げんきさん
    コメントありがとうございます。
    最初に「一言だけ」と書く気持ち、わかるような気がします。
    確かにこのネタは書き出すと止まらないですからね~。さて、第二次ラウンドでの韓国戦、個の試合の結果がどのように作用するのでしょうか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください