2001年の同時多発テロを始め数多くの国際テロに関わったとされているウサマ・ビンラーディンが米軍の特殊部隊によって殺害されたことが報道されました。
ビンラーディン遺体は海へ、DNA確認後(from yomiurionline)
【ワシントン=黒瀬悦成】オバマ米大統領は1日、ホワイトハウスで演説し、2001年の米同時テロ事件など数々の反米テロを首謀してきた国際テロ組織アル・カーイダの指導者、ウサマ・ビンラーディンを「米当局による攻撃で殺害した」と発表した。
ニューヨーク、ワシントンなどで約3000人が死亡した同時テロから約10年。ブッシュ前政権から続いてきた対テロ戦争は、ビンラーディン殺害で大きな節目を迎えた。大統領は「最も重要な成果だ。正義が成し遂げられた」と宣言した。
ビンラーディンが潜伏していたのは、パキスタンの首都イスラマバードに近いアボタバードの巨大な居住用施設。米ABCテレビによると、米海軍特殊部隊の少数の要員がヘリコプター2機でこの施設に近づき突入。約40分の銃撃戦の末、ビンラーディンを殺害し、遺体を回収した。
米メディアによると、遺体はDNA鑑定などで「本人」と確認された後、海へ投下された。イスラム過激派が遺体回収を目的とした作戦に着手する事態を警戒した措置という。
(2011年5月2日20時33分 読売新聞)
これに対して、対テロ作戦の前進ということで歓迎する声や喜ぶ市民の声が伝えられています。
しかし、自分はちょっと違和感を持っています。
他国の主権下の土地に踏み込み、そして司法的手続きを経ずして殺害すると言うことがいかなる理由であれ許されることなのだろうか?と思うのです。
これを聞いて最初に想起したのは新撰組とか天誅とかの幕末の時代。今もそんな時代なのでしょうか?
正義というのは必ずしも一つではないと思います。勿論当事者にしかわからない感情もあるでしょうが、客観性の無いまま「殺害」という行為が為されれば、それば復讐としか言えないのではと思うのです。
太平洋戦争中、山本五十六連合艦隊長官が乗っていた飛行機が撃墜されました。これは暗号を解読した米軍が仕掛けた攻撃ですが、こういった個人をターゲットとした作戦はいいのかと悩んだようです。
ニミッツはこうした方法で敵の海軍の最高司令官を殺すことがはたして妥当かどうか、ワシントンに判断を仰いでもいた。
その質問をまず最初に受けたノックス海軍長官はためらいをみせた。
そして過去の数々の戦争で、敵軍の最高幹部を個別の標的として殺したような実例があるかどうか、ペンタゴンの戦史担当官に命じてこまかに調査させた。
だがそうした前例は見当たらなかった。
その間、海軍省の高級参謀たちはこぞってノックス長官に「イエス」の決定を下すことを激しく迫った。
と同時に、海軍長官の意見の是非にかかわらず、問題は大統領の判断にゆだねられるべきだと主張した。
この結果、山本への攻撃を実行するかどうかはルーズベルト大統領の裁断するところとなった。
ルーズベルトはこの件の報告を南部ジョージア州に向かう専用列車の中で受けている。
大統領の下した決定は「ゴー」だった。(From ステージ風発 「山本五十六はなぜ撃たれたか――米軍パイロットの回想(2) )
また、同じく太平洋戦争の末期ですが、昭和天皇をどうしたいかアメリカ国民に世論調査したところ、「殺せ!」という意見が多かったのも事実です。
米国の世論調査社「ギャラップ」は、1945年6月はじめ、ひそかに天皇にかんする世論調査をこころみた。「戦争のあと日本の天皇をどう処置すべきか」というテーマであり、設問にたいする回答は次のようなものであった。
▽殺せ。拷問し餓死させよ 36%
▽処罰または流刑にせよ 24%
▽裁判にかけ有罪なら処罰せよ 10%
▽戦争犯罪人として扱え 7%
▽なにもするな 4%
▽傀儡として利用せよ 3%
▽その他 4%
▽わからない 12%
自分としては、今回のニュースにやはり首をかしげてしまうのです。
山本さんは狙われていることを承知していたのかも?
父の話では相手の情報をつかんでいたそうです。
当然、山本さんには伝わっていた?
それを承知で・・・となれば終戦を早めるため、
山本を消すことで早期終戦に持ち込むことが
アメリカの意図であり、山本さんの意志でもあった?
今朝のサンスポに映画公開の記事が。
http://www.google.co.jp/gwt/x?q=%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E4%BA%94%E5%8D%81%E5%85%AD&ei=GZ_MTai0BtCMkgW_nqa3Ag&ved=0CCkQqQIwDQ&output=xhtml1_0&hl=ja&source=m&rd=1&u=http://www.tv-asahi.co.jp/ann/geinou/geinou_news/contents/hot_20110513_030.html&guid=on